美食家は ビタミンB6 不足に注意

おいしいものを食べる食習慣のある 美食家は ビタミンB6 不足に注意 しなければいけませんビタミンB6 は、人体でつくることのできない重要な物質ですので、食物から摂取しなければいけません。1930年代に発見された水溶性ビタミンの1つで、人体で約100種類の酵素の補酵素としてはたらいています。
ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸)

主成分
ピリドキシン
効能
心臓病を防ぐ、血圧を下げる、喘息に効く
過剰摂取によって手足のしびれ、知覚異常などの末梢神経障害が起きる
注意
過剰
ドーパ、フェニトインの効果を低下させる

細胞をつくる補酵素

  • タンパク質の合成を助ける
  • 脂質の代謝を促す
  • 脳のはたらきを正常に保つ
  • 「免疫機能の正常化に役立つ

というのが ビタミンB6 の働きです。

ビタミンB6 は、貯蔵してあるグリコーゲンを切断しブドウ糖をつくるグリコーゲンリン酸化酵素を助けるため、その多くは、筋肉中でこの酵素に寄り添うように存在します。

ヘモグロビンは酸素を人体の隅々の細胞に運搬するタンパク質ですが、このヘモグロビンの活性中心ヘムをつくるにも、 ビタミンB6  は欠かせません。

要するに、 ビタミンB6 が不足すれば赤血球が足りなくなり、貧血におちいるのです。

人体は60兆個もの細胞が集まってできています。その細胞の主成分は、水を除けば、タンパク質が70 %を占めます。このタンパク質をアミノ酸に分解したり、アミノ酸を別のアミノ酸にモデルチェンジしたり、アミノ酸から伝達物質をつくるのに欠かせないのが ビタミンB6 です。

トリプトファン から セロトニン をつくるだけでなく、 ドーパミン 、 ノルアドレナリン 、 ギャバ をつくるにも、ビタミンB6の助けが入り用です。

アミノ酸のモデルチェンジが円滑に行われなければ、アミノ酸を原料としたタンパク質の合成もうまくいかないから、細胞は増殖できなくなります。

細胞が増殖できないなら、赤血球や免疫細胞も不足することになるし、歯や髪だって発育不十分となってしまいます。

しかも、 ビタミンB6 は トリプトファン から ナイアシン がつくられる際にも欠かせない補酵素です。このため、 ビタミンB6 と トリプトファン が十分にあるなら、食物から摂取すべき ナイアシン の量は少なくてもいいです。

1950年代から阻害物質が増加

ビタミンB6 が欠乏すると、 うつ病 、 けいれん 、 貧血 、 イライラ 、 唇や舌の亀裂 、 湿しん疹 などが発生します。 B6 の極端な欠乏例は珍しいのですが、それでも多くの臨床例として、 ビタミンB6 の摂取によって、喘息、月経前症候群、朝の吐き気、腎臓結石などの症状が改善することが報告されています。 ビタミンB6 の不足はあまり知られてませんが、かなり頻繁に起こっていることがわかります。

これらの 病気 が195 0年代から増加の一途をたどっているのは、この時期に食物や薬に含まれる ビタミンB6 の阻害物質が増えたことが一因と考えざるを得ません。

ではどんな物質が B6 の吸収を阻害するのでしょうか。抗結核薬の イソニアジド 、血圧降下薬の ヒドララジン 、ドーパ 、ペニシラミン 、経口避妊薬 、 アルコール などがあります。たんぱく質の代謝に ビタミンB6 が消費されるから、肉をたくさん食べる美食家も B6 不足になりやすくなります。

ビリドキシン と活性型 B6

ビタミンB6 には2 つの形があります。ビリドキシン塩酸塩(ビリドキシンと略記) とビリドキサールリン酸です。リン酸のくつついた後者が生体で補酵素としてはたらく「活性型跳」です。

それなら、活性型を摂取するほうがよいように思えるのですが、そうはいきません。たとえ活性型B6を摂取しても、リン酸が取り除かれたあとに腸管から吸収されるので、 ビリドキシン を摂るのと変わらないからです。

腸管から吸収された ビリドキシン は肝臓に運ばれ、 ビタミンB2 と マグネシウム の助けを借りて活性型B6になって活躍するので、ビリドキシンを摂取すればよいのです。例外は 肝臓 を患っている人です。 ビリドキシン は肝臓で ビリドキサールリン酸 へ変換されるため、肝硬変などを患っていると、この変換が困難です。このような人には、ビリドキシン を経口摂取しても意味がないため、ビリドキサールリン酸の注射を行います。

心臓を守る

血液中の ホモシステイン 値が少し上昇するだけで、心臓病や脳梗塞が発生しやすくなることが明らかになっています。摂取した タンパク質 を消化すると、 メチオニン をはじめ、さまざまなアミノ酸ができてくるのですが、 ホモシステイン はメチオニンの代謝によってできてくるのです。

健康な人は、この有害なホモシステインを2 つの方法で分解します。1つめは、 ホモシステイン を 葉酸 と ビタミンB12 の助けを借りて メチオニン にもどします。もう1つは、 ホモシステイン を ビタミンB6 の助けを借りて システイン に変換します。

したがって、血液中のホモシステイン値は、葉酸、B12、B6といった3 つのビタミンによってコントロールされています。

ビタミンB6 は心臓病を防ぐことが確認されています。ハーバード大学のリム教授は8 万人の女性を対象に ビタミンB6 の摂取量と心臓病の関係を調査した結果を「米国医学会」誌に発表しました。それによると、ビタミンB6を1日平均 4 .6 mg 摂取する女性は、1日平均1.1 mg しか摂取しない女性にくらべて心臓病の雁患率が 67 % に減少していました。もう1つの大規模研究でも、血液中の ビタミンB6 レベルが低いほど、心臓病の発生リスクが高まることが確認されています。

 

 

 

 

 

血管 を守る 赤ワイン の レスベラトール

ブドウに含まれる レスベラトロール はよく「不老長寿」「血圧を下げる」などと宣伝されています。

主成分
レスベラトロール
効能
心臓病や脳梗塞を防ぐ
副作用
なし
注意
ワルファリンやアスピリンとの併用は避ける

フレンチパラドックスを解く大事なポイント

レスベラトロール は、ベンゼン環が2 個つながったスチルベン系の ポリフェノール で、女性ホルモンのエストロゲンに構造も性質も似ているため ファイトエストロゲン ともいいます。
レスベラトロール は、植物がストレスや傷を負う、病原体に襲われる、紫外線に当たるなどピンチのときに、自衛のためにつくり出す物質です。

レスベラトロール

レスベラトロール

レスベラトロール それ自体は脂肪によく溶けるが、水には溶けにくい性質です。 レスベラトロール は1992年に赤ワインから発見され、脚光を浴びるようになりました。この物質こそ、フレンチパラドックス( フランス人の矛盾)を解くカギなのかもしれません、そんな期待が高まりました。

フレンチパラドックス とは、フランス人は、フォアグラなど脂肪分の多い食物を食べたり、タバコを吸っても、イギリス人やアメリカ人よりも心臓病が少ないという事実です。

ひょっとして、フランス人が愛飲するワインに心臓病を防ぐ秘密が隠されているのではと注目され続けてきました。その秘密を担うのは、 レスベラトロール なのではと期待されてきました。

1992〜1994年に発表されたWHO (世界保健機関) の調査によると、男性10万人当たりの心臓病による死亡率は、ドイツ人4 5 2 人、イギリス人4 1 7 人、アメリカ人3 9 9 人、ギリシア人3 7 8 人、日本人2 33 人、フランス人254人でした。

もともとコレステロール値が低い日本人は別として、フランス人はコレステロール値が高くても、アメリカ人やイギリス人にくらべて心臓病になりにくいのです。

フランス人は日本人と同じくらい平均寿命が長いのは、心臓が守られているからであるとわかります。これまで フレンチパラドックス は、 ワイン に含まれる抗酸化物質のおかげと説明されきましたが、今では、 レスベラトロール の 効果 であるという説が最有力となっています。

血管の病気を防ぐ

心臓病(心筋梗塞)と脳梗塞は血管の病気です。どちらも脂肪の塊が動脈のなかで破裂する瞬間にできる血栓が、血管を詰まらせることで発症します。血栓はこうしてできます。血液中に悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低密度リポタンパク質) が増えると、その一部が血管の内壁を形づくる内皮細胞のすきまをくぐり抜けて血管壁に入っていきます。

このコレステロールが、内皮細胞に存在する活性酸素によって酸化されます。こうしてできた酸化コレステロールが血管壁に蓄積すると、異物とみなした免疫系のマクロファージがどんどん食べます。

脂肪太りのマ クロファージ は泡状に見えるため、 泡沫細胞 と呼ばれています。 泡沫細胞 が巨大化したものを プラーク といいます。この プラーク が破裂し、血管のなかに放り出されます。これが血栓です。

もし、この血栓が大きいなら、心臓への血液の流れがとどこおったり、止まってしまいます。血液が止まった先にある細胞は、 酸欠状態 になり、長引けば 壊死 してしまいます。これが心臓で起きるのが 心筋梗塞 です。もし同じことが脳で発生すれば、 脳梗塞 です。

おわかりのように、心筋梗塞と脳梗塞は発生する箇所が 心臓 か、 脳 かで異なるだけです。どちらも血管に発生する血栓が原因です。 レスベラトロール は、いくつもの手投で血管を守ります。

まず、活性酸素を分解することで、悪玉コレステロール(LDL) の酸化を抑えます。血小板の凝集を妨げることで、血液凝固を防ぎます。

それから、いちばん大事なのが、 女性ホルモン様 の効果で、内皮細胞から一酸化窒素を放出し、血管を拡張させることです。女性ホルモンが受容体にドッキングすると、一酸化窒素をつくる酵素の遺伝子がはたらき、血管内皮から一酸化窒素が放出されます。

こうして血管が広がり、血液の流れがよくなります。そうなると血管内部にコレステロールが蓄積せず、 血栓 も生じにくくなります。女性の肌がすべすべなのは、血液の流れをよくする女性ホルモンのおかげです。

ところが、更年期になると 女性ホルモン が少なくなるので、血圧が上がり、脳梗塞も増えてきます。それを防ぐために、毎日1〜2杯

 

レスベラトロール の働き

  • 悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑える
  • 血小板の凝集を妨げる
  • 女性ホルモンのような効果
  • 血管を拡張させる
  • 肌をすべすべにする

の 赤ワイン が勧められています。 赤ワイン を飲まない人には、 レスベラトロール の サプ
リ での摂取が合理的です。

ガンにも

まだ細胞レベルでの実験結果ですが、 レスベラトロール が、 乳がん 、 前立腺がん 、 胃がん 、 直腸がん 、 すい臓がん 、 甲状腺がん などヒトに発生する多種類の がん細胞 の増殖を抑えることが確認されています。

発がん性物質 の投与によって がん を発生させた動物に、 レスベラトロール を エサ に混ぜて与えると、 食道がん 、 大腸がん 、 乳がん の増殖が止まりました。

 

けれど、経口投与では、 タバコ の 喫煙 で生じる 発がん物質 によって引き起こされた動物の 肺がん の増殖を抑制することはできませんでした。ヒトの がん に対する レスベラトロール の 効果 を試す治験は、まだ行われていません。

多くの研究者は、 レスベラトロール による がん予防 は「期待薄」と予測しています。 がん を予防するには、細胞 レベルでレスベラトロール が高い濃度に達しなければなりません。だが、この物質は人体に入っても迅速に分解されてしまうので、細胞で高濃度に達するのは無理と推察されるからです。

ヒトでの長寿効果は不明

摂取カロリーを制限すると寿命が延びることが、多くの生物種で知られています。カロリー制限をすると、酵母は「寿命延長因子(sir2)」というタンパク質をつくって長生きします。

そして、 レスベラトロール を酵母に与えると、カロリー制限をしなくとも70%も寿命が延びます。

同じしくみから、 線虫 や ショウジョウバエ でも レスベラトロール の長寿効果が確認されています。しかし、より高等な動物にも長寿効果があるかどうかは不明です。

たしかに、 レスベラトロール は試験管レベルでヒトの寿命延長因子のはたらきを高めましたが、それが本当にヒトの寿命を延長するかどうかまでは、証明されていません。

副作用はないが併用は避ける

レスベラトロール のヒトにおける毒性は知られていません。体重1 kg 当たり 300 mgの レスベラトロール をネズミに4 週間にわたって経口投与しましたが、副作用は見つかりませんでした。

妊娠や授乳期における レスベラトロール を含んだ サプリ の安全性については、データがありません。だが、妊娠や授乳期におけるアルコール摂取の安全性が確認されていないのと同じように、妊娠した女性は 赤ワイン など レスベラトロール の摂取を控えるべきです。 乳がん 、 卵巣がん 、 子宮がん など、 エストロゲン で悪化する可能性の高いがんにかかったことのある女性は、 レスベラトロール のサプリを摂取しないほうがよいでしょう。 レスベラトロール は、血小板の凝集を妨げます。このため、 レスベラトロール を大量に摂取すると、ワーファリンなどの抗血栓剤、 アスピリン などの非ステロイド性抗炎症剤を服用したときに、出血する危険性があるのです。

カリウム 心臓を守るが、諸刃の剣ともなる

主成分
アスコルビン酸ナトリウム、カリウム、クエン酸カリウムなど
効能
血圧を下げる、心臓マヒのリスクを軽減する
副作用
吐き気、嘔吐、お腹の不調、下痢など
注意
過剰摂取による高カリウム血症に注意

心臓の正常な鼓動に欠かせない

中高年になると気になるのが、高血圧や脳卒中の危険性です。この予防に効果的と、注目を浴びているのが カリウム です。カリウムは、フルーツ 、 芋 などに多く含まれます。

カリウム

カリウム

カリウム は、化学的によく似た元素である ナトリウム と対になって人体に働きます。両者で異なるのは人体での含有量で、カリウムのほうがナトリウムよりも多くなります。

たとえば、体重60 kgの人には約120(0 .2 %) グラムのナトリウムが、そして約2 g(0 .4 %) のカリウムがあります。

ナトリウム は 血液 や リンパ液 などの体液の水素イオン漉度を中性に保ち、浸透圧を一定に維持しています。

同じように、 カリウムは 細胞の水素イオン濃度と浸透圧を一定に維持しています。細胞の内側にあるカリウムの濃度は外側の30倍も高くなっているのです。

一方、ナトリウムは外側の濃度が内側の10倍になつている。細胞膜を境に カリウム と ナトリウム は著しい濃度差があることがわかります。この濃度差によって、膜の内側がマイナス、外側がプラスに帯電しているのです。これを「膜電位」といいます。

水は高きより低きに流れます。同じように、物質は濃度の高いところから低いところに移動するから、最初に濃度が違っていたとしても、そこに特別な力がはたらかなければ、いずれ濃度差はなくなります。

膜電位はゼロになるはずなです。しかし、ヒトが生きている限り、決してそうはならなりません。細胞膜に埋まっているナトリウム・カリウムポンプという酵素がまるで回転ドアのようにはたらき、ナトリウムを膜の外側に排出する一方で、カリウムを膜の内側に取り込んでいるからです。

この回転ドアをまわすのに必要なエネルギーをATP ( アデノシン三リン酸)が支払っています。

成人の場合、基礎代謝の20〜40 %がこの回転ドアの稼動に消費されています。じっに大量のエネルギーが、膜電位を発生させるのに消費されているものだと感心します。

ヒトの命を守るために、ナトリウム・カリウムの濃度差がいかに大切であるかということです。また、神経細胞の膜の内外でナトリウムやカリウムを出し入れすることで、電気信号が発生します。

これを連続して行うから、神経細胞のある箇所に発生した電気信号を別の箇所に伝えることができるのです。

同じように、筋肉の収縮や心臓の鼓動も電気信号の伝達によって起こります。また、糖類を体内の酵素で化学変化させて(これを「代謝」という) エネルギーをつくる途中で、ピルビン酸ができます。このピルビン酸にリン酸をくつつけるピルビン酸キナーゼという酵素もカリウムを必要とします。

カリウムがいかに大切な元素であるかがわかります。

低カリウム血症に注意

これほど重要な カリウム が生体で不足することがあります。これを「低カリウム血症」といいます。そうなると膜電位が不安定になり、細胞はブドウ糖を取り込むことができなくなるから、エネルギー不足におちいります。

疲労感に襲われ、やる気がなくなり、筋肉だって弱体化します。そのうえ、こむらがえり、便秘や腹痛などの不快な症状も発生します。さらに深刻になると、けいれんや心臓のリズムが乱れ、不整脈まで起きます。

低カリウム血症は、長期にわたる嘔吐やチアジド系利尿薬の使用、アルコール中毒、腎臓障害、代謝異常などで発生しやすくなります。重要なのは、 ナトリウム と カリウム のバランスをとることです。

もし ナトリウム の摂取が多すぎると、このバランスが崩れてしまいます。わたしたちが生きるのに必要な塩分(ナトリウム) は、1日に約3 gもあれば十分です。しかし、この目標値を忠実に守った食事だと、薄味に感じて食欲が湧かないでしょう。

そこで、ついつい塩分を加えてしまう。こうして「ナトリウム過多、カリウム不足」となり、血圧が上昇します。この状況を改善するには、ナトリウムを減らす減塩か、カリウムを増やすかの2 つの対策が考えられます。

後者の、カリウム摂取によって血圧を下げる多くの治験が行われてきました。

心臓マヒのリスクを軽減する

カリウム の摂取量を増やすと、心臓マヒのリスクが減少します。こんな興味深い疫学調査の結果がいくつも報告されています。

そのひとつ、1998年にハーバード大学のアッシュエリノ教授が「循環器」誌に発表した論文です。教授は、心臓病や糖尿病を発症していない健康な、40〜75歳のアメリカ人男性4万3738人を8年間にわたって追跡調査しました。

その結果、食事から摂取するカリウムが1日平均4300 mg という上位2 割のグループの心臓発作の発生リスクは、2400 mg  摂取という下位2割のグループの62 %でした。

この論文から得られる結論は、 カリウム の豊かな供給源である野菜と果物の摂取を少し増やすだけで、高血圧の人やそれまでカリウム摂取量の少なかった人は、心臓発作のリスクを大幅に減らすことができるということです。

血圧を下げる

カリウムの摂取量を増やすと血圧も下があります。ジョーンズホプキンス大学医学部のウェルトン教授は、1995年7 月までに英文で発表されたカリウム摂取の血圧への影響に関する論文から2609人の被験者を対象にした33の治験データを取り出して、メタアナリシスを実行しました。

メタアナリシスとは、過去の複数の治験データをまとめて統計処理を行い、薬の効果を判定する手投です。
こうして発表された論文には説得力があり、信頼度は非常に高いものです。同教授はこの結果を、1997年の「米国医学会」誌に次のように報告しました。1日 2300~3900 mg の塩化カリウム摂取によって、正常血圧の人は血圧が平均3.1  mHg、高血圧の人は平均4.4  mHg 低下します。

同教授は論文のなかで、「カリウム摂取量が少ないと、高血圧が発生することが証明されました。したがって高血圧の治療には、カリウム摂取を勧めるべきである」と結論しました。

降圧剤の前にカリウムをしっかり摂る 薬の前にまだやれることがある

 

カリウム は、用法・用量を超えると危険

カリウム 摂取による血圧降下がハッキリしたとはいえ、やみくもに飲んでは危険です。吐き気や嘔吐、お腹の不調、下痢などの副作用が起こりうるからです。それでも飲みつづけて血中のカリウム値が異常に高くなる「高カリウム血症」になると、さらに探刻です。

脱力感におそわれ、手足や口がしびれ、マヒします。さらに重症化すると、脈拍が乱れて不整脈となり、心臓マヒで死ぬ恐れもあるのです。高カリウム血症は恐ろしい症状なのです。

その高カリウム血症が発生しやすいケースは以下のとおりです。注意しなければいけません。

  1. カリウム摂取量が腎臓の排出能力を上回った場合
  2. 腎臓機能が低下した場合
  3. 高血圧の治療にスピロノラクトン トリアムテレン カンレノ酸カリウム にに代表されるカリウム保持性利尿薬を摂取していた場合
  4. たとえ腎臓機能が正常であっても一度に18 g 以上を摂取した場合

カリウムは用法・用量を守らねば「諸刃の剣」となります。間違っても高血圧の処方薬とカリウムサプリを併用してはなりません。

 

ついつい飲み過ぎてしまう酒飲みの 肝臓 を保護する ミルクシスル

主成分
シリビニン(シリマリンン)
効能
  • 肝機能の強化
  • 抗酸化作用
副作用
経口摂取では報告されていない
注意
乳がん患者は避ける
Milk thistle

Milk thistle

伝統あるヨーロッパの民間薬

職場仲間や得意先とのつきあいでお酒を飲む機会の多い人が心配なのが 肝臓 でしょう。そんな人をターゲットに「肝機能の強化」「アルコール性肝炎の予防」「脂肪肝に効く」などと宣伝されているのが、 ミルクシスル 。別名「オオアザミ」「マリアアザミ」とも言われます。

ミルクシスル は、ヨーロッパ、アフリカ、日本に生息する植物です。高さ50〜21 0 cmで、実はトゲが多く、花は赤紫色です。

ヨーロッパでは2000 年以上前から食品と医薬品の両方で使用されてきました。20 世紀に入るとイギリスで ミルクシスル が人気となり、家庭菜園で育てられるようになりました。

人々は、 ミルクシスル の葉をレタスのように、その茎をアスパラガスのように食べました。

酔った実を熱湯で抽出し、まるでコーヒーを楽しむように飲みました。そして ミルクシスル の種子と葉は、費痘の治療や乳量を増やす目的でも利用されました。

こうして ミルクシスル は、人気植物として不動の地位を築きました。1960年代になると、 ミルクシスル 人気に着目したドイツの研究者が、その有効成分の分析を開始しました。 ミルクシスル を、ある基準に抽出したものを「シリマリン」と呼んでいます。 シリマリン は、単一の物質ではなく、少なくとも4 つのフラボノイド化合物の混合物です。そのなかで、最強の効果をしめすのが、 シリビニン です。 ミルクシスル は アルコール性肝炎 、 肝硬変 、 ウィルス性肝炎 だけでなく、 肝臓 を薬物によるダメージから守るのにも利用されるようになりました。

そして1986年、ドイツの薬用植物の評価委員会であるコミッションE は、肝臓病の治療法として ミルクシスル 抽出物の経口での摂取を承認しました。

肝臓 は特別な臓器

肝臓は、手術でその5分の4を切り取ってもやがてもとの大きさにもどります。これは、他の臓器には見られない復元力です。

肝臓が「人体の化学工場」と言われるのは、ここで多くの化学反応が起きているからです。

肝臓の仕事をあげてみましょう。1つめは、エネルギー貯蔵物質のグリコーゲンをつくり、必要に応じてブドウ糖に分解して血液中に放出することで、血糖値を調節します。
2つめは、人体を構成するアミノ酸、タンパク質、脂肪をつくります。糖類から脂肪をつくったり、アミノ酸や脂肪から糖類をつくつています。

3つめは、タンパク質を分解したときにできる老廃物アンモニアを処理したり、古くなったホルモンを破壊します。胆汁をつくり、必要に応じて放出します。

4つめは、アルコールを分解したり、薬などの有毒物質を無毒化し、胆汁のなかに排泄します。この胆汁が胆嚢に貯えられます。胆汁は食事のタイミングにあわせて腸管に放出され、脂肪の消化を助けます。ヒトが健康に生きるのに、「化学工場」である肝臓の円滑な運営が欠かせないことがわかります。

グルタチオン値を高める

ミルクシスル は、肝臓における解毒を促進するだけでなく、肝臓を守るはたらきもあります。たとえば、毒キノコの タマゴテングタケ によって発生する 中毒 は、 ミルクシスル の抽出物を静脈注射することでおさまります。

動物実験で ミルクシスル の抽出物が、有機溶媒のトルエンから解熱鎮痛剤 アセトアミノフエン にいたるまで、広範囲にわたる有害物質の肝臓による解毒を進めることが確認されています。 ミルクシスル の有効成分は フラボノイド ですから、 抗酸化物質 としてもはたらき、 肝細胞 の膜を活性酸素によるダメージから守っています。

ミルクシスル は、ビタミンC やビタミンE の10倍も強力な 抗酸化物質 です。それに加えて、 ミルクシスル は、 肝臓 における解毒の主役であるグルタチオン値を35 %も上昇させます。

また、毒物を押しのけて肝細胞にくつつくことで、肝臓を毒物から守ったり、壊れた肝細胞の再生を促します。

肝炎や肝硬変を改善

ドイツのマギウ口数授は、急性ウィルス性肝炎患者を対象とする ミルクシスル の効果をドイツの医学雑誌に発表しました。

まず、55人の急性ウィルス性肝炎 患者を2 グループに分けました。28人には1回 70 mg、の ミルクシスル を1日3 回、21 日間服用してもらいましたた。

残りの27 人には同じ期間、偽薬を摂取してもらいましたた。肝障害の程度は GPT 値や GOT 値であらわすことができるから、これらの億を調べることで、両グループの肝障害の程度をくらべることができます。

ミルクシスルを服用したグループは、偽薬グループにくらべて、 GPT 値や GOT 値が低かった。このことから ミルクシスル は、 急性ウィルス性肝炎 に効果があることがわかります。

慢性肝炎 への 効果 も調べられていますが、治験結果は「効く」と「効かない」の両方が発表されています。

アルコール性肝炎 に 効く ことがいくつもの治験で確認されています。ここでは、1981年にフィンランド兵士を対象に行われた治験を紹介します。

アルコール性肝炎にかかっていた兵士106人を、 ミルクシスル と 偽薬 の2 グループに分け、4週間摂取してもらいましたた。結果は、 GPT  値やGOT 値は ミルクシスル グループ のほうが低かっただけでなく、肝臓の生検からも肝臓組織の状態が改善したことが認められました。

一方、フランスのトリンケット博士は、1 1 6人を対象に3 ヶ月間にわたる治験を行い、 ミルクシスル はアルコール性肝炎に効かないと発表しました。

しかし、この結論を鵜呑みにすることはできません。なぜなら、この治験期間中、大部分の被験者が アルコール摂取量 を減らし、半数近くが飲酒をすっかり止めたという事実があるからです。

アルコール依存症患者が「飲酒を止める」ほうが、「ミルクシスルを摂取する」より肝炎の改善に効果があるのは言うまでもありません。

肝硬変 患者 を対象にした治験もいくつか行われています。その1つは、170人を対象に4年間にわたって生存率を調べたものです。

偽薬グループの生存率が38 %だつたのに対し、 ミルクシスル グループの生存率は58 %と格投に高かったのです。

多くの薬が肝臓にダメージを与えたり、炎症を発生させます。ところが、 ミルクシスル は、アセトアミノフエン 、 アルコール 、 フェノチアジン 、フェニトイン などの薬物によって引き起こされる毒性から肝臓を守ることが報告されています。

このためヨーロッパでは、患者が肝臓に毒性を持つ薬物を処方されたときに、肝臓を守るために ミルクシスル が追加されています。ところが、222人を対象に12週間にわたる治験で、 ミルクシスル はアルツハイマー治療薬コグネックス(タクリン) による 肝臓 の 炎症 を抑える ことはできなかったと報告されています。

1回200mgを摂取70 %のシリマリンを含むミルクシスルを1回200 mg、1日2 ~3回摂るのが標準的です。

動物実験で、 ミルクシスル の 毒性 は、用量を増やし、期間を長くしても確認されていません。

270 0人近くを対象にした治験でも、ごく稀に胃腸障害が起こる程度でした。食品として長く利用されてきたことから、 ミルクシスル は、妊婦や授乳期の女性にも安全とされています。また、薬と併用しても相互作用は見当たりません。

GOT、GPTが高い、さらに値が不安定ならシジミ(使用感、効果)

胃を保護し、肝機能を高める「 ウコン 」

主成分
クルクミン、クルクミノイド
効能
抗炎症作用、肝機能の向上、抗酸化作用、消化不良を改善、ガン細胞の増殖を抑える
副作用
過剰摂取や長期間の摂取で消化管に障害を起こす恐れ。
注意
抗ガン剤の働きを弱める

消化不良に有効

「肝機能が高まる」「二日酔いに効果的」と喧伝される ウコン 。さらに「血糖値維持や肌荒れ防止」「ダイエット効果」「がん、高血圧、動脈硬化の予防」、はては「花粉症予防」にもパワーを発揮すると、中年族が泣いて喜びそうな文句が並びます。

その効果は本物でしょうか? ウコン はインド原産のショウガ科の植物で、日本でも沖縄、九州、四国などの暖かい地方で栽培されています。

ウコン

ウコン

カレーが黄色くなるのは、 ウコン に含まれる黄色色素のクルクミノイドによるものです。

クルクミノイドは「クルクミンの親戚」という意味です。花を咲かせる時季によって春ウコンと秋ウコンが有名で、いずれも錠剤や粉末を水で飲んだりします。

お茶で飲むこともあります。 ウコン の主成分は、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンなどのクルクミノイドと、ターメロンやセスキテルペンなどの揮発性で芳香のある精油です。

クルクミノイドのうち最強の生理作用を持つのはクルクミンです。 ウコン を飲めば、胃液の分泌を促すとともに、胃の粘膜を保護して消化不良を改善します。実際にドイツでは、ウコンが薬として処方されているから、その効能は保証済みです。

ウコン の3 つの効果

ウコン の効果は、炎症を抑える抗炎症作用、肝機能の向上、抗酸化作用の3 つです。まずは炎症を抑える抗炎症作用から。

炎症とは、ケガをした箇所が腫れて赤くなり、熱くて痛くなる不快な現象です。身体のどこかが痛ければ炎症が発生していることになります。炎症はたしかに不快なものですが、身体の防衛には欠かせない。バクテリア ( 細菌 ) や ウィルス などの病原体が生体に侵入してきたとき、免疫系の細胞であるマクロファージや好中球が活発化し、敵をめがけて活性酸素というミサイルを発射します。

こうして炎症が起きます。炎症は、病原体という「敵」をやっつけるために「活性酸素」というミサイルで爆撃する際に発生する火災です。

炎症があるおかげで、わたしたちの命は守られていると言えるでしょう。この炎症を促進するのが ロイコトリエン という脂肪酸ですが、 ウコン に含まれる クルクミノイド と精油は、 ロイコトリエン の生産を下げることによって炎症を抑制します。

また、 クルクミノイド には、活性酸素を分解するグルタチオン-S -ランスフエラーゼ という酵素を活性化する一方で、解毒の際に活性酸素を生産する p -450 という 酵素 のはたらきを抑制するダブル効果があります。

クルクミノイド に、強力な抗炎症作用があることがわかります。

次に肝機能の向上です。ウコンは胆汁の生産を増やし、肝臓の負担を軽減することによって解毒能力を高めます。最後に 抗酸化作用 です。活性酸素 は、細胞膜をつくる脂質を酸化するから、細胞が弱体化します。ところが、 クルクミノイド が 活性酸素 と刺し違えることで、膜は保護され、細胞は守られるのです。

活性酸素 は DNA にダメージを与えて、 突然変異 を引き起こす。この 突然変異 が蓄積することで、正常細胞が がん細胞に変身する。 クルクミノイド は活性酸素 を分解するので、 DNA のダメージを防ぎ、正常細胞のがん細胞への変身を抑えます。最近、 クルクミン が、がん細胞 の 増殖 を抑えることが発見されました。

がん細胞が増殖するには、栄養と酸素を補給するための新しい血管がつくられなければなりません。これを「血管新生」といいます。

2003年、韓国セジョン大学のクオン教授は、クルクミンが血管新生を阻み、がんの増殖を阻止することを明らかにしました。

抗がん剤 との併用に注意

ウコン の効果でひとつ、気になることがあります。 抗がん剤 や 放射線療法 が効果を発揮するのは、猛毒の 活性酸素 を発生させて がん細胞 に ダメージ を与え、これによってがん細胞が「 アポトーシス 」という自殺を選ぶためです。それなら、 活性酸素 を分解する ウコン を摂取すると、抗がん剤や放射線療法の効果が下がってしまうのではないか。その通り。この心配が見事に的中してしまいました。

2002 年、ノースカロライナ大学がんセンターのオロスキー教授は、 ウコン が 乳がん の治療に利用されるサイクロフォスファミドによるがん細胞のアポトーシスを妨げ、効果を著しく減少させたことを「がん研究」誌に発表しました。

ウコン の摂取は、 サイクロフォスファミド ばかりか、 ドキソルビシン 、 カンプトセシン 、 メクロレサミン などの、 抗がん剤 のはたらきを弱めることが明らかとなっています。 抗がん剤 の治療を受けている患者は、 ウコン の摂取を控えるだけでなく、カレーなど クルクミン 含有食品もできるだけ避けるのが賢明ということです。

肝機能強化 のつもりが障害に

手軽で効果的、がん抑制効果まで期待されるとなれば、まさに言うことなしです。ところが、一歩間違えば、「諸刃の剣」になりかねない、ウコンの摂取が原因と思われている肝障害が報告されています。

東京逓信病院の患者を対象にした調査で20 04年10月までに18件が判明し、そのうち1 人が死亡しているのです。

亡くなったのは都内に住む60代の女性で、肝硬変を患っていました。彼女は、肝機能を高めるべく ウコン 粉末のサプリを2 週間摂取したところ、逆に症状が悪化しました。入院して3 ヶ月後後に帰らぬ人となってしまいました。

また、肝硬変 患者の60代の男性は、 ウコン を飲み始めてから肝性脳症で入院したものの、ウコン摂取を止めて食生活を改善したら、健康を回復しました。

これ以外にも、B 型やC 型肝炎ウイルス感染による、慢性肝炎患者6人が ウコンを摂取した後、肝機能が悪化して入院となりました。 ウコン は胆汁の分泌を盛んにして肝臓のはたらきを活発化するというメリットがありますが、過剰摂取や長期間の摂取で消化管に障害を起こすことがあります。

また、動物実験で大量摂取によって肝障害が発生することが判明しています。 消化管障害 や 肝障害 は、必ず発症するわけではないのです。

摂取量や体質、健康状態によるところが大きいが、万が一、異変があった場合は、直ちに摂取を中止して医師に相談しましょう。それから、胆汁管に障害がある人や、胆石の人は ウコン を摂取してはいけません。

疲れた肝臓に!特許取得成分配合 二日酔い・飲み過ぎ対策サプリ「ekas(エカス)」

キウイにたっぷりの水溶性食物繊維は腸の元気物質「酪酸」を増やして便秘解消する

腸を元気にするなら「酪酸」が欠かせない

本サイトでも紹介している「便秘解消」のための食事でもわずかですが、便秘改善できない人もいます。主に、高齢者で運動量が極端に少ない、食べる量が少ないなどの方です。

便秘の解消のためには、腸の働きをよくすることが大切です。そこで最近、腸を元気にする物質として「酪酸」が注目を集めています。

酪酸とは、腸内細菌が作りたんさ出す短鎖脂肪酸という成分の一種です。酪酸は、腸内で主に2つの役割を果たします。

 

短鎖脂肪酸が主成分の乳酸菌発酵エキス「善玉元気」

 

1つめは、腸のエネルギー源としての働きです。酪酸は大腸においては1番め、小腸にとっては2番めに必要なエネルギー源です。

腸内で酪酸がたくさん作られれば、腸の細胞に多くのエネルギーが供給され、結果的に腸が元気に働けるようになります。

2つめは、整腸作用です。酪酸をはじめとする短銃脂肪酸が増えると腸内の酸性度が高まり、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は住みやすく、悪玉菌は住みにくい環境になります。その結果、腸内環境がよくなるのです。

酪酸は体内で作られる

このように腸を元気にし、腸内環境をよくする力がある酪酸ですが、実は口から摂取しても腸内に到達させることはできません。酪酸は、体内で作る必要があるのです。

そもそも、酪酸を含む短鎖脂肪酸はどのようにして体内で作られるのでしょうか。人問の腸内には、さまざまな細菌が常在しています。なかでも、酸素を嫌う「嫌気性菌」と呼ばれる菌は、食物繊維を発酵させ、単糖類と短鎖脂肪酸に分解する性質を持っています。

この嫌気性菌の働きによって短鎖脂肪酸が体内に作られます。酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸は、水溶性食物繊維をエサにする腸内細菌の働きによって産生されます。つまり、酪酸は水溶性食物繊維をとることで、より多く作られるということです。そこでみなさんにぜひ食べていただきたい食品が「キウイ」なのです。

キウイが酪酸を増やす

前述したとおり、食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、それぞれ違った働きをするので、両方をバランスよくとることが重要です。

理想的なバランスは「不溶性食物繊維2 :水溶性食物繊維1」です。しかし、私たちがよく食べるのは、水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維を多く含む食品がほとんどです。

また、水溶性食物繊維が多く含まれるのは、海藻やこんにゃく、大麦など、現代の食生活でとる機会が少ない食品ばかりです。

そのため、水溶性食物繊維は、意識してとらないと不足してしまう場合が多いのです。キウイには、水溶性食物繊維が多く含まれています。キウイはスーパーへ行けば1年を通して手に入りますし、調理の必要もなく、手軽に食べられるので、無理なく水溶性食物繊維を補うことができるのです。

さらにキウイには、腸内の酪酸の量を増やす可能性のあることが、2016年に開催された「第1回キウイフルーツの栄養および健康効果に関する国際シンポジウム」で発表され、話題になっています。

人問の腸内環境に似た環境を作り、そこにゴールドキウイ、グリーンキウイ、イヌリン(水溶性食物繊維の1つ)をそれぞれ添加して観察したところ、48時問後には2種類のキウイはいずれも、イヌリンと同じくらい酪酸の濃度を高めるという結果が出たのです。

過敏性腸症候群にもキウイが有効

キウイは便秘だけでなく、腸の病気の改善にも有効です。なかでもキウイは、過敏性腹症候群の人に最適な食材です。

過敏性腸症候群とは、検査をしても異常が認められないのにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感などの下腹部の不快な症状に悩まされる疾患です。過敏性腸症候群を引き起こす可能性がある食材はFODマップMAP(小腸内で消化・吸収されにくい糖類) と呼ばれ、牛乳リンゴ、パスタ、キノコ類などが挙げられます。

対して、キウイはオーストラリアのモナシユ大学が選定した、過敏性腸症候群の症状媛和に有効な低FODMAP食の1つに含まれているのです。

また、潰瘍性大腸炎の方にもキウイがおすすめです。潰瘍性大腸炎は、現在日本で23万4000人以上が罹患しているといわれ、指定難病に定められている病気の1つです。下痢や血便を主な症状として、よくなったり悪くなったりをくり返します。

実は潰瘍性大腸炎にかかった人の便は、健常者の便に比べて短鎖脂肪酸の濃度が低いことが指摘されています。つまり、潰瘍性大腸炎の患者さんの腸には、酪酸が足りていないのです。

そのため、潰瘍性大腸炎の治療には、腸内の酪酸を増加させる酪酸菌製剤が処方されています。加えて、キウイを日常的に食べれば、腸内の酪酸がさらに増えて、炎症を起こしている大腸粘膜の修復を助け、症状の改善に役立つでしょう。

酪酸が効果を発揮するのは、腸の健康だけではありません。免疫(病原体から体を守るしくみ) をコントロールしてアレルギー性疾患を抑えたり、血糖値をコントロールして糖尿病を改善したりする働きも期待できます。腸だけでなく、全身の健康維持のためにも、ぜひキウイを毎日の食卓に取り入れてみてください。

腸の元気物質 酪酸 を増やしてくれる朝食べる「キウイ」+オリーブオイル

 

 

 

コエンザイムQ10 ダイエットだけでなく抗酸化作用も

少し前に、コエンザイムQ 10 はダイエット効果でブレイクしました。コエンザイムQ10は、「コーキューテン」とも、「ビタミンQ 」とも、「エビキノン」とも呼ばれます。

日本に最初に紹介されたコエンザイムQ 10は、心臓病の薬として開発されたものでした。心臓の機能が落ちた「うっ血性心不全」の治療薬として使われ始め、現在も使われています。

平成になってから薬局で自由に買える薬になり、平成13年から食品として販売できるようにもなっています。

コエンザイムQ 10が最初は心臓病の薬だったと知って驚かれた方もあるでしょう。その後の研究で、コエンザイムQ10 にはいろいろな働きが報告されています。

  1. エネルギー合成の効率を高める
  2. 抗酸化作用
  3. 血流改善効果
  4. アンチエイジング効果
  5. 自然治癒力の向上効果
  6. QOL(クォリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上効果

コエンザイムQ10は脂溶性で、抗酸化力はかなり強力です。そのうえ、ビタミンE の効果を増強するといわれています。

他のビタミンは私たちの身体のなかではつくれませんが、ビタミンQといわれながら、コエンザイムQ 10は身体のなかでつくることができます。

ここが他のビタミンとの大きな違いといえるでしょう。コエンザイムQ10が含まれている食品は、肉類では牛肉、豚肉、レバーなど、豆類では大豆、インゲン豆などです。野菜ではほうれん草、ブロッコリーに多く含まれています。

魚類ではイワシ、サンマ、ブリ、サバなどに含まれています。食事からコエンザイムQ10を摂ることもできますが、1 日5〜10mg程度しか摂れません。1日30〜1 00 mgは摂りたいところで、食事だけでは摂取不足になります。

話題沸騰のCoQ10と美肌に関する情報
https://metaboliz.net/q10/

プロアントシアニジン 強力な抗酸化力で生活習慣予防・美白

プロアントシアニジンといえば、美白・美肌作用が注目されているブドウ種子や海岸松のエキスに多く含まれることで、女性ならご存じの方も多いかと思います。

アントシアニン同様、カテキンが複数個連なる構造をした強力な抗酸化力を有するポリフェノールの一種です。

アントシアニンがブドウの果皮に多く含まれているのに対し、プロアントシアニジンは種子に多く含まれています。

実は、赤ワインに優れた抗酸化作用があるのは、赤ワインにはブドウの果肉や皮だけでなく種子も原料として使用されているため、アントシアニンと同時にプロアントシアニジンの抗酸化力も総合されているからだと考えられるのです。

ですから、アントシアニンのフレンチパラドックスフランス人は動物性脂肪の多い食事をしているにもかかわらず、動脈硬化による心臓病の死亡率が低いは、赤ワインに含まれるブドウ種子のプロアントシアニジンの協力のおかげでもあるわけです。

実際にヨーロッパでは、プロアントシアニジンを含むブドウ種子ポリフェノールは血管の老化を防ぐ医薬品となっています。

プロアントシアニジンはブドウ種子のほか、カカオやりんごにも含まれており、その強力な抗酸化力は、体内で発生した活性酸素の除去だけではなく、体内に入った有害な金属イオンの排除、酸化酵素の活動抑制という3 つの大きな作用を持っています。

先ほど美白・美肌効果についてふれましたが、これもやはりプロアントシアニジンの強力な抗酸化力によるものです。プロアントシアニジンが活性酸素の発生を抑制し、その結果、シミの元となるメラニン色素の生成を阻害するというわけなのです。

このほか、プロアントシアニジンは傷ついた血管を修復するアディポネクチンの増加に寄与したり、腸内環境の改善を促し、便臭の予防につながったりします。

ビタミンB群 あまり知られていないが抗酸化作用には欠かせない

抗酸化物質としては、あまり知られていませんが、ビタミンB群も抗酸化物質です。ビタミンB群は水溶性で、熱に弱い性質があります。ビタミンB群は、凶暴な活性酸素・一重項酸素を無害にします。

ハイドロキシラジカルを消すグルタチオンペルオキシダーゼを助ける働きもあります。また、脂肪酸を正常に代謝(分解・合成) させたり、危険な過酸化脂質を分解する働きもあります。

ビタミンB 群では、ビタミンB1、B3 、B6にも、抗酸化作用があります。その作用は、最悪の活性酸素・ハイドロキシラジカルを無害にしてくれる働きです。

ビタミンB1は、アルツハイマー病に有効との説もあります。また、ビタミンB3の成分のニコチン酸には、活性酸素を消して不安定になつたビタミンCを復活させる働きがあります。

アルコールや二日酔いのもとになるアセトアルデヒドの分解にも欠かせません。ビタミンB群では、ビタミンB15にも、ビタミンEに似た抗酸化作用があります。ビタミンB15は、ビタミンA やE と一緒に摂ると効果的といわれています。細胞の寿命を延ばしたり、肝臓の解毒機能を高めたり、疲労回復、免疫力の向上も期待されます。

ビタミンB1を多く含む食品には、強化米、豚ヒレ肉ともも肉、ウナギの蒲焼、やつめウナギなどがあります。ビタミンB2を多く含む食品として、やつめウナギ、豚・牛・鶏のレバー、ウナギの蒲焼、サバなどがあります。

ビタミンB3を多く含む食品には、タラコ、カツオ、ビンナガマグロ、ムロアジ、マグロなどがあります。

ビタミンB15を多く含む食品はマグロ、サンマ、サケ、サバ、牛レバー、豚モモ肉などです。ビタミンB6を多く含む食品には、精白していない穀類、かぼちゃの種、ゴマ、ビール酵母などがあります。

ビタミンE アンチエイジング効果大の若返りビタミン

ビタミンEは脂溶性ですが、やはり身体のなかでつくることができません。これも食事によって補給しています。

いまでこそビタミンEは抗酸化力で知られていますが、最初は「不妊を防ぐビタミン」として発見されています。ビタミンEは、つねに細胞膜や目の角膜などに待機し、そこで発生する活性酸素を消してくれます。

そのことで幅広いアンチエイジング効果が期待され、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。ビタミンE にはいろいろな働きがありますが、なかでも動脈硬化の予防と改善効果が注目されています。

最近の研究で、ビタミンC 、コエンザイムQ10などと一緒に摂ると、ビタミンE の働きが強まることが分かっています。

ビタミンEを多く含む食品は、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、大豆油、ごま油、ひまわり油、綿実油などの植物油、大豆、小麦胚芽、オリーブ、ひまわりの種などです。

動物性では、アン肝、タラコ、シシャモ、ウナギの蒲焼、スルメなどにはビタミンE が含まれています。

1日の所要量は、成人男子が7〜9mg、成人女子が7〜8mgです。ただ、活性酸素を無害にするためには、1 日1 00〜30 0mgくらいは必要と考えられています。

これだけの量のビタミンEを摂ろうとすると、食事だけではとうていまかないきれません。アンチ& リバースエイジングのために、別の方法を考えたいところです。

合成ビタミンE (天然型ビタミンE)もありますが、抗酸化物質としてすぐれているのは、天然のビタミンEです。合成ビタミンEは吸収されにくく、活性酸素を無害にする働きは天然ビタミンE の半分といわれています。

ちなみに、食用油の酸化防止剤としても、ビタミンE が使われています。その抗酸化力で、油の酸化を防ごうとしているのです。

ビタミンE を多く含む食品
https://www.vitamin-qa.info/2014/04/26/post-134/