胃・十二指腸潰瘍

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病気の原因と症状

潰瘍(かいよう)とは、胃などの消化管の壁の粘膜や粘膜下層、筋層などの部分にできる深い傷のことです。つまり、胃・十二指腸潰瘍というのは、胃や十二指腸の壁に傷ができることをいいます。十二指腸の粘膜は薄くて、出血したり穴があいてしまうこともあります。

私たちが食べものを食べると、口から入った食べものは食道を通って胃へ進みます。胃は、その食べものをドロドロにやわらかくして吸収しやすくする「消化」というはたらきをしています。食べたものは、胃の中で5時間近くゆっくり時間をかけて消化されます。

十二指腸というのは、胃と小腸をつないでいる器官です。十二指腸という名は、指12本を横に並べた長さだということに由来しているそうですが、実際にはもっと長さがあります。胃で消化された食べものに、すい臓から分泌されるすい液や胆のうから分泌される胆汁などの消化液を混ぜて、小腸へと送るはたらきをしています。

症状の出方は潰瘍が発生する場所によって違いがありますが、十二指腸やその周辺に潰瘍ができた場合、空腹時に痛みが出て、食後に穏やかになるという特徴があります。食道や腸に近いところに潰瘍ができた場合には、痛みが30分以上続くこともあるといいます。こうした痛みが毎日周期的にあらわれて数週間も続き、その後に消えますが、数ヶ月後から数年後には再び症状があらわれることもあるのです。

原因となるのは、胃から分泌される胃酸の影響を受けることです。消化液である胃酸にはタンパク質の分解作用があって肉や魚、卵などのタンパク質食品を消化しています。ただ、人間の消化管もタンパク質でできていて自己消化の危険があるのですが、粘膜がそれを防御しているのです。 それなのにストレスをうけたり、食事、喫煙、薬剤などの影響によって、粘膜を守るはたらきが弱まり、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を溶かしてしまいます。

胃・十二指腸潰瘍の食事療法について

食事で栄養素を積極的に補給して、粘膜を修復し、抵抗性を上げることが一番の目標です。

早めに普通食に戻す

症状が治まったら、できるだけ早く普段のご飯食へと移行しましょう。いつまでもおかゆを食べていると栄養素の補給がじゅうぶんに行われず、栄養状態が悪いので、潰瘍部の修復が遅れてしまいます。あまり神経質にならなくてよいです。

消化の良いものを食べる

できるだけ消化の良い食品や調理法を選びましょう。かたいものや消化の悪い繊維質のものは避け、胃の中にいつまでも食べものが留まらないようにします。

栄養バランスの良いものを摂取する

消化管の粘膜の材料となるタンパク質やミネラル、また、代謝を調整するビタミンなどをじゅうぶんに摂りましょう。

調理のコツ

胃・十二指腸潰瘍に対しての食事では、バランスが良くて消化の良いメニューにします。調理法は、煮る、蒸す、茹でるが良いです。

食材は、肉類では脂肪が少ない鶏ささみ、牛肉や豚肉なら赤身が良いです。魚介類では新鮮な魚が良く、タコ、イカ、貝類、干ものは消化が悪いので避けましょう。卵、乳製品、豆製品は消化が良いので、上手に取り入れましょう。

症状が強いときには、酸味の強い柑橘類は避けてください。熱すぎるものも刺激になりますので、気をつけましょう。

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