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乱れたショック生活のツケがまわる消化器官の終着駅が「肛門」

肉、卵などの酸性食品、白米、白砂糖などの精白食品を常食していると、組織がゆるんだり、壊死をおこしたりしやすくなり、血行が悪くなって、うっ血がおきやすくなります。

とくにこのような病変がおこりやすいのが、肛門部です。白米、肉、白砂糖を多食している現代人は、ほとんどが痔になりやすい要素をもっているのです。

われわれの体においては、もともと肛門部はうっ血がおこりやすい条件が備わっています。肛門は、胃から小腸(十二指腸、空腸、回腸)へ、さらに大腸(盲腸、結腸、直腸) へと続いてきた消化管の終点に位置しています。

肛門の内部は痔輪という輪状の高まりを境に、それより上部が粘膜、下部が皮膚になっています。この粘膜の表面近くに静脈が網目状に密に分布しており、ここにうっ血がおこると痔になります。痔輪の外には、二重に肛門括約筋がとりまいて、腸の開閉を行っています。

内側の括約筋は、内臓を構成している筋肉と同種のもので、意志に関係なく、排便反射によって開きます。だが、外側の括約筋は、手や足を動かす筋肉と同種のものであるため、大脳の指令通りに動きます。

さて、静脈血は、この肛門部から心臓へ帰らなければならないわけですが、心臓までの数十cmもの道のりを、重力に逆らって上らなければなりません。しかも「弁」がありません。ふつうは、体の表面近くを流れている静脈には「弁」があって、血液の逆流を防いでいます。

まず、取り組むのは便秘の解消

肛門部の血行障害は、運動不足や寒冷によってもおこりやすくなります。だから、長い間、座業をしたり車の運転をおこなったりする人におこりやすく、季節的にみると、血管が収縮して血行が悪くなりがちな冬季に多いというのは言うまでもありません。

ところが最近は、それ以外の場合にも同じように多くみられるようになりました。もっと基本的な生理機能のレベルで、血行障害がおこりやすくなっているのです。つまり、血液性状の混乱および血管の運動性減退で、血液自体が流れにくくなっているということです。

原因は、白米・肉食の過食。この不自然な食生活で、腸の機能を混乱させているのです。腸壁の細胞に必要なミネラルや酵素などが供給できないうえに、有害バクテリアが産生する毒素が作用して、腸は異常に収縮したり、逆に異常に弛緩したりしています。そのため、便の移送がスムーズにいかなくなり、便秘症になるのです。この便秘がまた、肛門部のうっ血にひき続いて痔をおこす強力な要因となっています。
排便反射がスムーズにおこらないため、腹庄を高めて押しだそうとし、しかも、排便の際には、硬くなった便が直腸壁を強く圧迫します。

とくに肉、卵のタンパク質および精白して有効成分をはぎとってしまった炭水化物は、何よりも便秘をひきおこしやすいのです。肉などのタンパク質は、多大な負担をかけて腸を疲れさせてしまうし、炭水化物は、化学的に純粋な姿になるほど、腸壁にへばりつきやすくなります。

3つの痔のタイプ

痔といわれる病気は、症状や形態の違いから、3種に大別されています。
ひとつは裂肛。俗にいう「切れ痔」です。痔には痛みがつきものですが、この切れ痔は、肛門周辺の皮膚が裂けるものだから、痛みは激しい。血行も悪くなり、皮膚が角化している時におこりやすい。割合に治しやすいものだけに、根本療法をしないで放っておき、くりかえし切れていると、潰瘍になって治りにくくなります。

次に痔核。いわゆる「イボ痔」。これには、肛門のふちにできる外痔核と、肛門内や直腸下部にできる内痔核とがあり、後者のほうがだんぜん多くなります。便の強い圧迫と摩擦で破れて、激しい出血をおこすことがあります。また、炎症がひどくなると猛烈に痛み、歩くことも座ることもできなくなります。

もうひとつは痔瘻。俗にいう「アナ痔」。膿が生じます。そこから膿が排出すると、肛門部の粘膜に化膿性の炎症がおこるため膿瘍が生じます。そして膿みが発生すると、膿の通り道が管(瘻管)となって残ります。これが繰り返し起こると、やっかいなものになります。

血管の弾力性を高める薬草茶を飲む習慣で改善する

こうみてくると、痔は非常に複雑な病気のように思われますが、実際はそうではありません。根本原因である血行障害を治しさえすれば、どのタイプの痔であっても治せるからです。

白米・肉食の過食をやめ、玄米・菜食の少食に切り替える。とくに玄米の胚芽成分は何よりも血液性状の正常化に有効に作用するので、主食として玄米ご飯を食べることが絶対に必要です。
副食は、山菜、海藻、季節の野菜(根菜類など)と小魚介類をとります。とくに、ヒジキ、コンプ、ワカメ、シュンギク、セリ、セロリ、ネギ、ゴマ、ゴマ油、梅干しは、痔に有効な食品なので、常食するようにします。そして、果物を極力控えること。お茶代わりに、ハトムギ、ヨモギ、タンポポなどの薬草茶を飲むことも大切な条件です。

また、胚芽、葉緑素、酵素、朝鮮人参、ローヤルゼリーなどの健康食品を用いると、いっそう効果的です。以上のような食生活をおこなっていると、血液は健康な弱アルカリ性となり、血管の弾力性も高まって丈夫になります。

なお、便秘を治すためには、ただ野菜を大量に食べればいいというものではありません。腸の機能を正常化させなければならないのです。腸の機能が正常化すると、便通もよくなります。
玄米菜食をしていれば、腸が整い、自然に正常な排便反射がおこるようになってくるのです。

手当ての仕方としては、次のものが効果的

  • 卵黄油を患部にぬる。厚手のナベに卵黄を落とし、ヘラで絶えずかきまわしながら弱火で妙める。黒くなり、油が出てきたら、カスを捨て、油を容器に移しとる。この卵黄油を脱脂綿に浸して患部に当てる(肛門に入れたり、貼ったりする)。毎日とりかえる。卵黄油は市販もされている。痔の薬ならこちら
  • 酵素液を患部にぬる。卵黄油の場合と同様にする。
  • 純粋米酢を脱脂綿に浸して直接ぬるか、小麦粉を米酢で練って患部へ貼る。
  • ショウガの搾り汁と同量のゴマ油を混ぜ、局部によくすりこむ。
痔の治療のポイント
  1. 便秘症を治す。便秘は肛門部のうっ血をおこす。便秘を治すに最適なイサゴールはこちら
  2. 肉、牛乳、卵をやめる。動物性タンパク質食品は、血液中の酸毒物質をふやして組織をくずれやすくする。
  3. 精白食品を極力避ける。白砂糖、白米、白パンなどを常食していると、組織はゆるむ。血管壁の弾力性も弱まり、うっ血をおこしやすくする。
  4. 玄米・菜食に切り替える。根治の決め手である。玄米を主食にし、野菜・海藻・小魚介類を副食とする。それに体質に合った健康食品と薬草茶をプラスするのが、基本原則である。
  5. 腰部、下腹部を冷やしすぎないようにする。
  6. 足腰の運動を十分におこなう。肛門部の血液循環をよくする。
  7. 肛門部の運動を励行する。肛門を意識的に強く「すぼめる」→「ゆるめる」運動をくりかえすと、痔の防止・治癒が促進される。
痔に効く薬効食品と自然療法
卵黄油
患部に塗る。
ニラ
生薬の搾り汁を患部に塗る。
ヨモギ
ショウガと併せて煎服する。止血作用が大。
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