胃下垂

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病気の原因と症状

胃下垂というのは、胃が通常の位置よりも下がっている、下のほうまである状態をいいます。これは、胃を釣り上げている筋肉が緩んだ状態です。ただ、胃全体が下のほうにあるわけではなく、上の端の位置は正常なのに下の端の位置が下がっている、というものです。つまり、胃がダラーンと伸びてしまっているのです。

生まれつき、このような胃をもつ人の多くは、やせていて筋肉が少ない人です。男性に比べ女性に多い症状で、なかには骨盤の辺りまで胃が垂れている人もいるといいます。

胃下垂だと太らない・・・、こんなことを聞いたことがあるでしょうか。

食事で口から入った食べものは、胃を経てから、消化されながら十二指腸、小腸へと進み、栄養素のほとんどは小腸で吸収されます。しかし、胃が下のほうにあることで、通常よりも、食べものが胃に滞在している時間が長くなり、栄養が吸収されるまでに時間がかかります。ですから、食べているわりには栄養がとれない、ということになります。

また、食べものが胃に残っているので、胃酸が多く分泌されてむかむかしたり、食欲不振になって太りにくいという傾向があるのです。

こうした生まれつきの胃下垂の場合でも、特に苦痛な症状がないということであれば、治療をする必要はありません。しかし、中には、胃が重く張った感じがする、鈍い痛みがあるなどの症状の人もいます。これは、胃アトニーという病気で、胃の筋肉の緊張が低下して、胃の働きが鈍くなっているのです。

お腹の壁の脂肪が不足していたり、腹部の圧力が低下しているやせ型の人は胃下垂だけでなく、内臓全体が下がっていることもあるといい、それを改善するためには、適度な全身運動や腹筋を鍛えることが良いといわれています。

胃下垂の食事療法について

全身の栄養状態を良くすることが、胃下垂の食事療法の目的です。一般的に、やせている人に多くみられますから、しっかり食べて内臓周辺の脂肪を増やし、内臓をきちんと支えられるようにしましょう。

たくさん食べる

少食で、あまり食欲がない人が多いので、がんばってたくさん食べるようにしましょう。間食に甘いものなどをとるようにして、エネルギーを補給します。

胃の負担を減らすような食べ方をする

胃下垂だとあまり空腹感がなく、1度に食べられる量が少ないので、何回かに分けて食べるようにします。1日の総量を減らすわけにはいかないので、胃の負担を軽くするように、何回にも分けて食べます。

胃液の分泌を刺激する

胃液の分泌を亢進して食欲を増すために、香辛料や酢などを利用しましょう。

調理のコツ

消化が良く、食べやすいメニューにしましょう。豆腐や納豆、牛乳、白身魚、鶏のささみ、むね肉などは、消化が良いタンパク質食品です。

油は、新鮮な植物油をサラダのドレッシングや炒めものに使いましょう。

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