アントシアニンは抗酸化力で注目されているポリフェノールの一種で、ブルーベリーやアサイーベリー、カシス、アヤムラサキという種類のサツマイモに含まれている紫色の色素成分です。
専門的に言うとアントシアニンは、植物界において広く存在する色素、アントシアン(英: anthocyan、果実や花の赤、青、紫を示す水溶性色素の総称)のうち、アントシアニジン(英: anthocyanidin)がアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分です。
アントシアニンは「目にいい」ということで、昔から民間療法で用いられてきました。とくに第二次世界大戟中、ブルーベリージャム好きのパイロットの「夜間でもよく見える」という体験が、ブルーベリーとアントシアニンの本格的研究のきっかけになりました。
最近の研究では、眼精疲労に効果が高いのはカシスに多いルナノシド型のアントシアニンという報告もあります。
ところで、ポリフェノールといえばワイン、とくに赤ワインの抗酸化力が有名です。きっかけは、「フレンチパラドックス」と呼ばれる現象でした。普通、動物性脂肪を多く摂るとコレステロールが多くなり、動脈硬化が増えます。
その結果、心臓病での死亡率が高くなります。しかし、欧米諸国で、フランスだけが例外でした。動物性脂肪の摂取が非常に多いにもかかわらず、フランス人だけ心臓病での死亡率が低かったのです。この矛盾はどうしてなのか?
これが「フレンチパラドックス」といわれるもので、フランス人がよく飲むワインに含まれるプロアントシアニ ジンやアントシアニンなどのポリフェノールによる効果だったのです。
先に触れたアントシアニンは目にいいという話ですが、網膜にあるロドプシンは光の刺激を受けると分解され、さらに再合成されます。
しかし、目を酷使しすぎるとロドプシンの再合成が追いつかなくなります。目がチカナカしたり、目がかすむのはこうした理由からです。アントシアニンはロドプシンの再合成を活性化してくれます。そのことで疲れ目の予防・改善、視力回復にすぐれた働きを発揮するのです。アントシアニンにはそのほか、肝臓の機能回復、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害の予防作用もあります。
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