グルコマンナン
主成分
グルコマンナン
効能
デトックス効果、血糖値の安定化、血圧を下げる、コレステロール値を下げる
副作用
軽い下痢
注意
ダイエット効果は期待できない

コンニャクの主成分

中年になると、高脂血症や高血糖になったり、血圧が高くなりがちです。このうち2つ以上を合併すると、メタボと呼ばれるようになります。

高脂血症、高血糖、高血圧は、単独でも動脈硬化のリスクを高めるが、複数が重なることで、そのリスクが一段と高くなります。

動脈硬化は脳卒中や心臓病を引き起こしやすいので、メタボは油断できません。アメリカの メタボ人 に人気を集めているのが グルコマンナン です。 グルコマンナン はブドウ糖と マンノース が2対3の割合で長くつながった水溶性の多糖類で、コンニャクイモ に多く含まれるから別名 コンニャクマンナン と言います。

コンニャク という日本語が、英語の学術論文でもアメリカのサプリ販売店でも立派医に通用しています。

グルコマンナン

グルコマンナン

味噌おでんやすきやきなど、コンニャク料理の本場日本でも 便秘改善 コレステロール値を下げる コンニャクでデトックス といったグルコマンナン のその宣伝文句を耳にしますが、その根拠は以下のとおりです。

ファイバーのデトックス効果

コンニャク の主成分 グルコマンナン は、寒天の主成分 アガロース や紙の主成分 セルロース と同じように ファイバー 食物繊維 のひとつに数えられています。
ファイバー は、ヒトの腸内でほとんど分解されない多糖類で、干しヒジキ アオノリ コンブ ゴボウ などに多く含まれます。

ファイバー の性質は、親水性の水酸基をたくさん持っているため、それに似た水が大好きという点にあります。だから摂取されたファイバーは大量の水を吸い取り、大きく膨張して腸内に存在する毒素を吸着します。しかも膨張したファイバーは、腸内に存在する毒素を吸着します。

しかも膨張したファイバーは腸をやさしく圧迫して便通をよくします。こうしてファイバーに捕らえられた毒素は便とともに排泄されるから、ファイバーを摂ると腸内がキレイになります。ファイバーにデトックス効果あるという宣伝は本当です。

もしもファイバーが不足すると、毒素が腸内にとどまる。これだけで十分にいけないことなのだが、毒素は再び血液に溶けて全身をまわるからさまざまな影響がでます。

肝臓がうまくはたらいて、毒素を分解してくれるから大事にはいたらないことが多いのですが、いつもこううまくいくとは限りません。

毒素が多くなると肝臓の処理能力を超えて体内に残ってしまいます。この残った毒素が、 DNA にダメージを与えるなど、人体に被害を与ゝえてしまいます。

ファイバーが吸着するのは毒素に限りません。その大きな図体で、胃腸で糖類や脂肪を捕らえます。そうすると糖類の胃での滞留時間が延びるため、消化が遅れ、血糖値の急激な上昇を抑えることができるのです。

こうして血糖値を安定化します。ファイバーに包み込まれた脂肪は消化・吸収されないから、エネルギーとして利用されずに排泄されます。こうしてコレステロール値を下げるのです。

膨張率が抜群

メタポ対策にうってつけの栄養素が ファイバー であることがわかります。わが国では、ファイバー摂取が不足しています。

ファイバーの摂取目安量を成人(18〜69歳) 1日当たり19〜27 gとしていますが、ほとんどの人がこれだけの量を摂取していません。

1951年頃の日本人は、1人当たり1日24 g のファイバーを摂取していたのですが、年を追うごとに摂取量は下がり、2002 年には14 g になっています。

ファイバーの必要量を1日 19 gとするなら、1人平均5 g 不足していることになります。

昔は主食として食べていた大麦などの雑穀が、 ファイバー を徹底的に取り除いた白米に置き換わるにつれ、しだいに摂取量が減少していき、現在に至ります。

アメリカ人は野菜嫌いで、彼らの野菜の摂取量は19 80年代には日本人よりずっと少なかったのですが、今では逆転してしまいました。

日本はがんによる死者の増加に歯止めがかからないのですが、アメリカではこれが見事に止まり、1991年からがんは減少に転じています。

野菜に含まれるファイバーが、DNA にダメージを与える毒素を吸着し排泄したことも、がん減少の要因にあげられるでしょう。

これはデトツクス効果の1つです。このように、日常の食事だけで十分な ファイバー を摂取できている人は少ないので、 グアガム 、 ペクチン などのファイバーをサブリで摂ることで、1日の必要量を満たそうとするのですが、この点、 グルコマンナン は、他の ファイバー よりも少ない摂取量で効果があらわれるというメリットがあります。

これは、 グルコマンナン が水に触れると、乾燥時の体積の17倍に膨張するからです。このため グルコマンナン は、サプリで利用するのにとても好都合です。
グルコマンナン

コレステロール値や血圧を下げる

グルコマンナン がコレステロール値や血圧を下げることが、多くの治験で明らかになっています。その一つは、スウェーデンのアンダーズ・アービル博士のグループが「米国臨床栄養」誌に発表した論文です。

まず、25  〜 65 歳の健康な 63 人を 2  つのグループに分けて、 1 つのグループはカプセルに包まれた 1 回 1.3 g の グルコマンナン を、食事の 30 分前に 1 日 3 回ずつ( 1 日に3.9 g )もう 1 つのグループには、カプセルに包まれたデンプン( 偽薬) を4週間摂取してもらいました。

以前に摂取したサブリの影響をなくすため、2週間の洗浄期間の後に、 グルコマンナン と偽薬を摂取したグループを入れ替えて治験をくり返しました。これを「交差試験」といいます。

結果は、 グルコマンナン を摂取したグループのコレステロール値は、平均 10 %、悪玉コレステロールの LDL  は7 .2 %、トリグリセリド値は 23 % 低下しました。また、最大血圧が2.3 % 下がりました。しかし、善玉コレステロールの HDL は増えませんでした。

ダイエット効果は期待できなかった

グルコマンナン を摂取するとお腹がふくれるから、満腹感が得られ、その結果、過食が避けられると期待されました。実際に、そう感じる人もいることは確かです。

そこで、 グルコマンナン が体重を落とすのに有効であるかどうかを判定するための治験が行われました。「効果あり」とするのは少数の治験で、それより多くの治験では「効果なし」という結果が出ています。

血糖値を安定化する

グルコマンナン を食事の前に摂取すると、食物の消化・吸収を遅らせることができます。このため血糖値の急激な上昇を防ぎ、インスリンの放出量を半減できることが、いくつもの治験で確認されています。

言い換えるなら、 グルコマンナン は食物のGI値を低下させる効果があるということです。その 1 つは、カナダにあるトロント大学バスカン教授のグループによる論文です。

グルコマンナン が血糖値を低めに安定化させ、善玉コレステロール値を上げることを「糖尿病ケア」誌に報告しました。

まず、低脂肪食を摂取したり薬物療法を受けている高脂血症や2型糖尿病の患者2人をランダムに2 つのグループに分けまし。 1 つのグループには 0 .7 g の グルコマンナン を含むビスケットを毎食前 30 分に 1 日 3 回、 3 週間摂取してもらい、別のグループにはふつうの小麦でつくつたビスケット(偽薬)を同じ期間、同じように食べてもらいました。

高血糖の指標には、一時的な上昇を見る血糖値ではなく、より長期の傾向が見られるフルクトースアミン値を用いた。フルクトースアミンとは、フルクトース(果糖)とアンモニア、ブドウ糖とタンパク質が反応してできるアミノ糖です。

グルコマンナン のグループは、偽薬グループにくらべ、フルクトースアミン値は 5 .7 % 低く、善玉コレステロール値は 10 %高く、最大血圧は 6.9 下がりました。

お腹が張り、ガスが出たりする

コンニャク の主成分である グルコマンナン の安全性は、十分わかっているはずです。しかし、 グルコマンナン をサプリとして摂るのなら、気になることもあります。摂取後にお腹が張ったり、ガスが出たり、軽い下痢を訴える人もいます。

これらの症状は摂取量を減らすと 2 〜 3 日でおさまります。錠剤で摂取するケースでは、食道や胃に届く前に膨張するために発生する障害がいくつか報告されています。このため今では錠剤は作られなくなっています。カプセル剤では、 グルコマンナン が胃腸に届くまで水に触れないので、この間題はありません。

グルコマンナン の膨張に関するすべての問題を解決する方法の1つは、 グルコマンナン を水につけてから摂取することですが、そうすると グルコマンナン の利点が失われてしまいます。

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