肝炎

病気の原因と症状

肝臓は、消化液となる胆汁をつくったり、栄養素の合成と処理をおこなったり、体の解毒をしたりなどさまざまなはたらきをする、とても重要な臓器です。

肝臓は大きな力を貯えているので、病気で肝臓の80パーセント以上が壊れたとしてもはたらき続けることができるといわれています。病気になっても症状が出にくいことから、別名「沈黙の臓器」とも呼ばれることがあります。肝臓は再生力の強い臓器ですが、炎症が慢性化すると元に戻らなくなるので、日頃からいたわっておくことが必要です。

肝炎とは、肝臓が炎症を起こすことをいいます。肝炎には、急性肝炎と慢性肝炎があります。おもな原因となるのは、ウイルスによる感染です。代表的なウイルスには、食べものや飲みものから経口感染するA型肝炎、血液や体液を通じて感染するB型肝炎、そして、口を通じてからもそうでなくても感染するC型肝炎があげられ、このように、それぞれ感染ルートが違います。

症状は風邪によく似ていて、おもなものには体のだるさ、食欲不振、発熱、吐き気などがあり、ほかに白目や皮膚が黄色っぽくなる黄疸(おうだん)などが出ることもあるのですが、症状はウイルスに感染してから数週間から数カ月後に現れます。急性肝炎では発症から10日から2週間前後がピークで、あとは徐々に軽減していきます。慢性肝炎の急性期も同じような症状ですが、安定期では、自覚症状が無いこともあります。

A型はほとんどが急性肝炎で、慢性化に至ることはありません。しかし、B型ではおよそ10%、C型では30~40%が慢性化して、悪化すると肝硬変になることもあるのです。

肝炎の食事療法について

ウイルスに対する抵抗力を高めて、肝細胞が修復しやすいよう、積極的に栄養を補給しましょう。

炎症が起きたときは消化の良いものを摂る

初期は食欲がなく、消化・吸収力も低下しているので、口あたりや消化の良いものにしましょう。おかゆなど糖質中心の食事となりますが、この時点ではこれでよいです。軽快してきたら、しっかり栄養を摂りましょう。

エネルギー量は多くても少なくてもダメ

肝臓が一日に必要とするエネルギー量を満たすことが必要です。エネルギーの不足は肝臓の回復を妨げますが、逆に過多になると脂肪肝となって、肝臓の機能が低下してしまいます。

ビタミン・ミネラルをじゅうぶん摂る

肝臓では多くの代謝がおこなわれていますが、その補助をするのがさまざまなビタミン・ミネラル類です。いろんな食品をまんべんなく食べて、肝臓の代謝を良くしましょう。

症状に合わせタンパク質を摂る

肝臓機能の回復を早めるために、基本的にタンパク質をじゅうぶん補給しましょう。安定期には、動物性も植物性も両方摂る高タンパク質食が良いです。ただ、増悪期の検査値が高いときには、控えめにします。

調理のコツ

バランスの良い食事を基本に、タンパク質を含む一品があると良いです。緑黄色野菜をたくさん摂りましょう。油は、動物性ではなく植物油を使いましょう。

胃・十二指腸潰瘍

病気の原因と症状

潰瘍(かいよう)とは、胃などの消化管の壁の粘膜や粘膜下層、筋層などの部分にできる深い傷のことです。つまり、胃・十二指腸潰瘍というのは、胃や十二指腸の壁に傷ができることをいいます。十二指腸の粘膜は薄くて、出血したり穴があいてしまうこともあります。

私たちが食べものを食べると、口から入った食べものは食道を通って胃へ進みます。胃は、その食べものをドロドロにやわらかくして吸収しやすくする「消化」というはたらきをしています。食べたものは、胃の中で5時間近くゆっくり時間をかけて消化されます。

十二指腸というのは、胃と小腸をつないでいる器官です。十二指腸という名は、指12本を横に並べた長さだということに由来しているそうですが、実際にはもっと長さがあります。胃で消化された食べものに、すい臓から分泌されるすい液や胆のうから分泌される胆汁などの消化液を混ぜて、小腸へと送るはたらきをしています。

症状の出方は潰瘍が発生する場所によって違いがありますが、十二指腸やその周辺に潰瘍ができた場合、空腹時に痛みが出て、食後に穏やかになるという特徴があります。食道や腸に近いところに潰瘍ができた場合には、痛みが30分以上続くこともあるといいます。こうした痛みが毎日周期的にあらわれて数週間も続き、その後に消えますが、数ヶ月後から数年後には再び症状があらわれることもあるのです。

原因となるのは、胃から分泌される胃酸の影響を受けることです。消化液である胃酸にはタンパク質の分解作用があって肉や魚、卵などのタンパク質食品を消化しています。ただ、人間の消化管もタンパク質でできていて自己消化の危険があるのですが、粘膜がそれを防御しているのです。 それなのにストレスをうけたり、食事、喫煙、薬剤などの影響によって、粘膜を守るはたらきが弱まり、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を溶かしてしまいます。

胃・十二指腸潰瘍の食事療法について

食事で栄養素を積極的に補給して、粘膜を修復し、抵抗性を上げることが一番の目標です。

早めに普通食に戻す

症状が治まったら、できるだけ早く普段のご飯食へと移行しましょう。いつまでもおかゆを食べていると栄養素の補給がじゅうぶんに行われず、栄養状態が悪いので、潰瘍部の修復が遅れてしまいます。あまり神経質にならなくてよいです。

消化の良いものを食べる

できるだけ消化の良い食品や調理法を選びましょう。かたいものや消化の悪い繊維質のものは避け、胃の中にいつまでも食べものが留まらないようにします。

栄養バランスの良いものを摂取する

消化管の粘膜の材料となるタンパク質やミネラル、また、代謝を調整するビタミンなどをじゅうぶんに摂りましょう。

調理のコツ

胃・十二指腸潰瘍に対しての食事では、バランスが良くて消化の良いメニューにします。調理法は、煮る、蒸す、茹でるが良いです。

食材は、肉類では脂肪が少ない鶏ささみ、牛肉や豚肉なら赤身が良いです。魚介類では新鮮な魚が良く、タコ、イカ、貝類、干ものは消化が悪いので避けましょう。卵、乳製品、豆製品は消化が良いので、上手に取り入れましょう。

症状が強いときには、酸味の強い柑橘類は避けてください。熱すぎるものも刺激になりますので、気をつけましょう。

胃炎

病気の原因と症状

胃炎は、急激に胃に炎症が起きた状態で、胃の病気としてはよくみられるものです。原因はいろいろ考えられますが、飲み過ぎ、食べ過ぎ、消化不良のほか、精神的ストレスも影響します。また、風邪薬や鎮痛剤を服用した後に起こることもあります。

一般にはどうも不当に軽視されているのが、胃袋の役割です。「胃は、もともと腸管の一部が特別に大きくふくれて、倉庫の役目をはたすようになったにすぎないもので、全部とりのぞいてしまって食道と小腸を直接つないでも、命に別状はありません。

消化管は原始的な器官ですから、数年のうちには、腸のある部分が胃の代行をするようになる」…と考えます。消化管というものが原始的な器官であって、きわめて融通性の高いものであることに間違いありません。しかし、それなりに進化してきているのも事実です。とくに胃は、進化にともなってあらわれてきた器官で、高等動物の最高位に位置する人間にとってはきわめて重要な器官です。

胃袋は、小腸に少量ずつ消化しやすい形に変えた食物をおくりこむためにつくられたものですが、人間の体内では、その作業がより巧妙におこなわれるようになっています。

すなわち、前消化ともいうべき作業で、これが順調におこなわれないと、腸での本格的な消化作用に支障が生じます。造血は小腸絨毛組織でおこなわれており、胃の機能が障害されると、悪質な貧血がおこることもあります。だから、「胃を切りとる」という治療は、極力避けなければいけません。

胃のおもな症状には、食欲不振や吐き気、嘔吐、胃の張り、みぞおちの痛みなどがあります。一般的な治療として症状に合った薬が処方され、必要であれば点滴や胃の洗浄をすることもあります。胃炎では原因が明らかになることが多いので、原因を取り除くことで治る確率が上がります。

胃に潰瘍ができやすいのは

潰瘍とは、胃壁に潰瘍ができる病気です。「潰瘍」というのは、いわゆる組織の表面に炎症が起きて、壊死に陥った組織がはがれかかっている状態です。

炎症がおこるのは、血液中の毒素の働きによるものである。局所的には組織が死んでしまう(壊死)ほどの障害がおきているのですが、体のほうにもまだそれに抵抗する力が十分にあるため、どんどん新しい細胞をつくり、新たな組織づくりをすると同時に、傷んだ組織は切り離そうという作業が進められているわけです。ともかく胃壁の組織細胞は、局所的な病変に対して精いっぱい対抗して活動を開始します。そのため、胃液の分泌も旺盛になります。それが、潰瘍面への刺激をいやがうえにも増大させる結果となるのです。

したがって、症状も激烈になります。圧迫されるような、焼けるような、刺すような、痙攣性の激しい痛みがおこることが増えます。ひどくなると吐血する下血するなどの症状もみられます。

ただし、軽度のうちは、神綬の反射的な働きによって、あくびが盛んに出たり胸やけをおぼえることが増えます。それにしても、なぜ潰瘍は胃に最もおこりやすいのでしょうか。

それは、胃が自律神経との関係が緊密であるうえに、不自然な食事の害を直接受けるからです。不自然食で血液を汚し、ストレス過剰の生活で自律神経を失調させていれば、必然的に胃粘膜には変調がおこります。炎症などの変調がある程度以上ひどくなると、胃潰瘍にもなりやすいわけです。

胃へ運ぶ前に、口で消化してしまうこと

たかが粘膜の障害ぐらいと考えるかもしれませんが、この粘膜の働きこそが消化機能の本命です。胃袋は強靭な三層の筋肉によってつくられていますが、これはもっぱら胃の運動に関係しているもので、内容物に機械的な作用を及ぼしています。

消化としての化学的ないし生物学的操作は、すべて粘膜がおこなっているのです。いずれにしても、胃潰瘍の場合は、体の抵抗力はまだ旺盛なのだから、正しい治療法をおこなえば、予想外に早く回復させることができます。

治療は、胃への刺激を極力小さくすることと、自律神経系の安定と浄血をはかる、という平行した対策が必要です。

胃粘膜を刺激する香辛料、コーヒー、タバコ、精製塩、白砂糖、酒などを避けることはもちろん、少食にし、十分に咀嚼して食べることが大切です。食物は機械的操作を加えるほど、唾液酵素の作用もゆきわたって消化作用がうまくいく。機械的な消化操作を意識的におこなうことができるのは、口の中だけです。それだけに咀嚼の意義を再認識すべきです。

胃の炎症や潰瘍を直接的に治癒させるものとしては、葉緑素が最も効果的です。甘草を煎じて飲むのも有効です。便が黒っぼくなるのは出血している証拠だからです。

止血効果の大きいレンコンジュースを飲むのがいいでしょう。浄血をはかるためには、腸内で異常発酵をおこして毒素を大量生産する動蛋食品をやめて、玄米・菜食に切り替えます。併せて、整腸効果の大きい酵素、抗ストレス作用の著しい朝鮮人参を補給するのがおすすめです。

「よく噛まなければならない食べ物」が胃を丈夫にする

胃を強化するには正しい内容の食事を、十分に噛んで食べることが一番重要です。正しい食事とは体の自然性にあった玄米・菜食中心の食事です。
人間の本来の食性は、穀菜食性です。その証拠は、歯の並び方や腸の長さなどにはっきりと示しされています。

玄米・菜食は体タンパク質の生合成をスムーズにするので、胃組織の修復はすみやかにおこなわれます。同時に、血液性状も正常化するので、内臓機能は健全になり、弱っている神経系も大いに強化されます。

そして十分に噛んで食べることによって、食物の利用率が非常に高められるので、それだけ効果的に体質改善がはかられます。
また、よく咀嚼して食べると自然に少食になるので、胃の負担は大幅に軽減され、この点でも大いに機能回復が促されます。

咀嚼は、内臓機能に直接的な影響を及ぼすことのできる、特異な働きです。つまり、消化という、生理機能の中でもとくに重要な機能を意識的に左右するものなのです。
できるかぎり活用しなければ損です。とくに、咀嚼の効用として重大なのは、植物性炭水化物の利用率が高まることです。
タンパク質の生合成において最も重要な素材は、炭水化物です。
唾液には、その炭水化物の消化をスムーズにする酵素(プチアリン)がたっぷり含まれています。十分に咀嚼すると、唾液の分泌が促され、しかも食物とよく混ざり合います。

胃炎の食事療法について

胃炎の炎症を抑えて再発を防ぐことが食事療法の目的です。

具合が悪いときはまずは絶食する

吐き気や嘔吐が激しいときには絶食して、胃の粘膜を保護します。およそ一日か二日して、食事ができるようになり最初の食事を摂るときはジュースや重湯など流動食から始めます。その後、おかゆ食からご飯へ移行していきます。ただ、普段の食事に戻ったとしても何でも自由に食べるのではなく、消化の良い食品や調理にして、栄養のバランスを取るようにしましょう。

いつまでもおかゆを続けない

胃の調子が悪いと、ついついおかゆに梅干しのパターンになりがちではありませんか?これだと、いつまでたってもおかゆ食から抜け出せないこともあります。おかゆは、確かに消化は良いですが、水分が多いし、エネルギー、タンパク質はそれほどありません。できるだけ早い時期に普通のご飯に戻し、よく噛んで食べるようにしましょう。

規則正しい食生活を

体が消化の準備を整えるためには、毎日決まった時間に食べることです。規則正しい食生活をおくることが大切なのです。そして、消化を良くするためには、ゆっくりよく噛んで食べることが必要です。早食いでよく噛まずに食べる人は、胃炎を起こしやすいのです。

できるだけ刺激物を避ける

胃の壁の負担を減らすために、ある程度、刺激物は制限します。ここでいう刺激物とは、熱すぎるものや硬すぎるもの、アルコールやカフェイン飲料などです。それに、お腹いっぱいになるまで食べると胃が拡張して、胃の負担が大きくなります。炎症を抑えるには、腹八分目にしておきましょう。

調理のコツ

胃に炎症が起きているときには、消化の良い食品を選んで、やわらかく調理したメニューにします。症状に合わせて、徐々に流動食から普通のご飯に戻していきます。

食材は、青魚は脂肪が多いので避けます。肉なら脂肪の多いロースやバラ肉は避け、ヒレ、モモ、鶏ささみなどを使います。香辛料は控えましょう。煮る、蒸す、茹でるなどの調理法が良いです。

ストレスは血を酸毒化させる

人は心にひっかるかるようなおもしろくないことがあると、食欲不振になりやすくなります。それは、胃液の分泌がへったり、胃腸の嬬動が減退する、というように消化機能の低下がおこるためです。反対に、楽しくくつろいだ気分の時に食が進むのは、それだけ胃腸の働きがよくなっていることによります。このように、胃腸の働きを盛んにしたり、抑制したりするのは、直接的には自律神経の作用による。胃腸には、他のすべての内臓と同じように、交感神経、副交感神経という二系統の自律神経がきています。
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そして、胃腸においては、交感神経の作用が強くなった時は、消化液の分泌は少なくなり、運動も弱くなります。反対に副交感神経の作用のほうが勝っている時は、消化液の分泌は盛んになり、運動も活発になります。すなわち、われわれがいい気分でリラックスしている時は、胃腸の活動は盛んになっているのです。手足の筋肉のように骨を動かす骨格筋は、一種類の神経で支配されていて、大脳から命令がおくられてくれば働き、命令がこなければ働かない…というように、単純明快なしかけになっています。

ところが、胃腸その他の内臓にある筋肉は、自分で働く関係から、活動をおこす神経と、活動を止める神経の二種類の神経が必要となります。というわけで、内臓の機能状態は自律神経のあり方によって決められるのです。
この自律神経は、精神的ストレスにきわめて弱く心が動揺すると、簡単に機能失調をおこしてしまいます。精神的ストレスは血液を酸毒化させるから、どんな慢性病の暗も棒力回避するように工夫しなければいけないのですが、胃腸病の時は、とくにストレス対策は重要です。

「イライラ、クヨクヨ」は食べすぎ・飲みすぎと同罪

消化力が減退すると、体タンパク質の生合成力は、減退し、代謝も混乱するため、心身の虚弱化がおこります。すなわち、

  • 胃およびその他の内臓は下垂しやすくなる
  • 血管機能の調節がチグハグとなり、冷や汗、のぼせがおこりやすくなる
  • 神経が過敏になる

このため、胃弱の人は、体にいろいろな故障をおこしやすくなります。また、持久力が弱くて、ちょっと無理をするとすぐにダウンします。
だから、体を鍛えようとしてやみくもにトレーニングをすることは、胃弱の人にとっては逆効果とです。ただでさえストレスに弱い体に、多大なストレスをかける結果となるからです。

まず、冒そのものを強化することが先決です。もし、胃弱を放置し、誤った食生活を続けていると、胃下垂、胃アトニー、慢性胃炎、胃潰瘍、胃ガンなどに発展させてしまうでしょう。胃弱の扱い方は、胃を健全な姿に回復させるか、本格的な病気にするかの重要な分かれ道です。

胃カメラで異常がないのに胃痛や胃もたれに悩む日本人は多いがこれは消化酵素が不足しているから

白砂糖はカルシウムを奪って胃の組織をダウンさせてしまう

現代人が食物をあまりよく噛まなくなったわけは、咀嚼しがいのない軟弱な食物ばかりを食べているせいでもあるのです。白米、自パンなどの精白食品、骨をとりのぞいた魚、繊維の柔らかい温室野菜などは、別段意識して噛むまでもなく、ラクラクとのどを通過してしまいます。

第一、これらの食品は、うまみを出す成分が少ないから、よく噛んでいたら味気がなくなる一方です。咀嚼をしっかりすると同時に、咀嚼しがいのある食物をとることを考えなければならないのです。最も咀嚼しがいのある食物は、玄米です。
玄米は、炭水化物性の食物であり、しかもビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンE 、カルシウム、リン、リノール酸など、体タンパク質の合成に必要な有効成分がたっぷり含まれています。

だから、玄米は噛めば噛むほど味わいが出てくるし、胃腸の健全化効果も高まります。玄米ごはんを主食にして、十分に噛んで食べることは、胃ガン治療においても決定的な役割をはたすものです。ましてや胃弱など、玄米を十分に噛んで食べることさえ守れば、他には何ら特別なことをしなくても治ってしまうことが多いのです。

胃腸という臓器がきわめて原始的なものであるから、胃腸病の症状もとても単純です。だから、誤った食事をしていれば、すぐに胃腸腸障害がおこり、食事を正せば、いち早く回復します。胃腸障害をおこす誤った食事とは、白米・肉食です。とくに肉と白砂糖の常食・多食は有害です。肉は、胃に大きな負担をかけ、血液を酸毒化して、胃の組織を荒らす。一方、白砂糖は、カルシウムを奪って組織をだらけさせてしまいます。そして結局、疲れやすく、ストレスに弱い胃袋に変えてしまうのです。

牛乳崇拝が胃腸をダメにしてしまう

体力をつけ、傷の治りを早くするという理由で、医者は一般的に、動物性のたんぱく質食品を十分にとることをすすめる傾向があります。なかでも、牛乳を特効薬食品扱いしています。

「胃潰瘍は胃をカラッポにすると痛みだすから、牛乳を飲むとよい。牛乳には酸を中和する働きもある。冷たい牛乳を飲むと下痢をする人は温めて飲み、牛乳そのものを受けつけない体質の人はスキムミルクを飲めばよい」といった調子で、まるで牛乳をとらなければ治らないとでもいいたげです。

あながち胃潰瘍にかぎった話ではないのですが、動物性たんぱく質食品ほど悪い作用を及ぼす食品はないのです。

腎不全

病気の原因と症状

腎不全とは、腎臓の機能が低下して、本来の腎臓の働きである体内の老廃物の除去や尿の排出をできなくなった状態のことをいいます。急性腎不全と慢性腎不全があります。

急性腎不全とは

数週間から数日のうちに、急激に起こる腎不全です。この原因としては、糸球体腎炎(腎炎)によるもの、心臓障害などから起こるもの、尿管や膀胱の過程で尿の流れが止まってしまったもの、それから、交通事故などで大量に出血したことなどが考えられます。

初期の症状では、尿量が著しく少なくなることがあります。また、むくみや倦怠感、嘔吐など「尿毒症」といわれる症状も出てくるようになります。早期に治療することが重要で、それが病後の経過を左右することにもなるのです。尿量が少ない時期は水分と塩分の制限を厳しくおこなって安静を保つのですが、尿量が増えてきたら、適度な水分補給やカロリー補給が必要になります。

慢性腎不全とは

慢性腎不全は、病気が徐々に進行していき、腎臓の機能が果たされなくなります。原因となるのは、慢性腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎症などです。

初期の段階では異常を認めませんが、進行すると尿量が減少し、しまいには尿がまったく出ない状態になります。この頃には、尿毒症の症状も現れます。そして末期になると、人工透析というとても大変な治療をしなければなりません。

病気の悪化と進行を防ぐためには、長期にわたる毎日の食事療法が重要となります。適切なタンパク質の制限、塩分の制限、エネルギーの補給をおこないます。

腎不全の食事療法について

腎不全になると腎臓の機能が著しく低下しますが、現在の治療法では、それを元の状態に戻すことができません。限られた腎臓の機能の中で、どれだけ体の恒常性を保ち、状態の悪化や進行を防ぐことができるかが食事療法の目的です。

次のようなことが、食事療法のポイントになります。

  • 腎臓の機能に合わせてタンパク質を調節する
  • 尿量によって水分の量を調節する
  • カリウムを制限する
  • 特殊食品を利用してエネルギーをアップする
  • 減塩食をおいしく作る
  • 香辛料を利用して食欲を増進させる

調理のコツ

急性腎不全では、水分と塩分、タンパク質、カリウムの制限が必要です。エネルギーを確保しなければならないので、治療用の特殊食品を利用して、エネルギーが不足しないようにすることが大切になります。

慢性腎不全では、腎機能の程度に合わせ、タンパク質の制限が必要になります。動物性タンパク質を主食や野菜と組み合わせましょう。揚げ物や炒め物、サラダなど油を使う調理はエネルギーをアップするのに良く、水分も少なくできます。塩分制限はしっかり守りましょう。エネルギーを増やすには、治療用の特殊食品を利用して間食におやつを食べるのもよいです。

腎炎

病気の原因と症状

腎炎とは腎臓が炎症を起こす病気です。腎炎には、急性腎炎(急性糸球体腎炎)と慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)があります。急性腎炎は小さな子供に多く、比較的治りやすい腎臓の病気です。成人では慢性腎炎に移行することもあり、慢性腎不全になる場合もあります。

腎炎のおもな症状は、むくみ、血尿、高血圧などです。風邪や扁桃炎、中耳炎を合併することもあります。

急性腎炎の原因は、溶連菌といわれる細菌に感染することです。しかし、細菌そのものが腎臓に炎症を起こすのではなく、菌に感染することがアレルギーとなって、その刺激で炎症が起きるという複雑な仕組みなのです。発病後の初期段階では、安静にしていることが大事で、水分、塩分、タンパク質の制限が必要となります。

一方、慢性腎炎は、急性腎炎からの移行か、タンパク尿もしくは血尿が検査で偶然発見され、少なくとも1年以上持続している状態をいいます。慢性腎炎の原因については、詳しいことは明らかになっていないようですが、免疫複合体が糸球体へ沈着することによって引き起こされる場合が多いとされています。

慢性腎炎は症状や経過によって、次の4つに大きく分けられます。

潜在型

血圧が正常で自覚症状がほとんどありませんが、軽度の血尿とタンパク尿があります。この場合は、過労を避けて、規則正しいバランスの良い食事を摂ります。

高血圧型

むくみが出て、タンパク尿や肉眼でわかる血尿がみられます。体が疲れやすく、高血圧や動悸が起こります。塩分やタンパク質の制限が厳しくなります。

ネフローゼ型

ひどいむくみと多量のタンパク尿が出て、高血圧がみられます。塩分制限がさらに厳重になります。

進行型

腎機能がかなり低下し、貧血、息切れ、吐き気などがあり、むくみや疲れのほか、慢性腎不全の症状もあらわれます。症状の進行に伴い、尿量が減少いていきます。こうなると、水分やカリウムにも制限が必要です。

これらの食事では、当然、医師や栄養士から指導を受けなければなりません。

腎炎の食事療法について

腎炎には急性と慢性があり、それぞれの状態によって食事療法の内容も違います。急性腎炎では、厳しい食事管理をおこない、安静と保温で腎臓内での血流量の回復をはかります。一方、慢性腎炎では、潜在型の場合は特別な食事療法は要りませんが、それ以外の高血圧型、ネフローゼ型、進行型の場合、それぞれの状態に合わせた食事管理が必要となります。また、腎臓病ではどのような場合でも、塩分の調節が必要です。

調理のコツ

タンパク質の摂取に制限がある場合には、肉、魚、卵、牛乳、大豆製品などを主食や野菜と組み合わせて使い、ボリュームを出して補うと良いでしょう。タンパク質が少ない分、エネルギーが減らないように、油や砂糖をうまく使って調理しましょう。

塩分の摂取に制限がある場合には、食塩が必ず使われているような加工食品や漬けものなどは避け、薄味にしましょう。また、制限がないとしても、塩分は取り過ぎないことが大切です。

ガン

病気の原因と症状

ガンは悪性腫瘍といわれます。腫瘍というのはいわゆる「おでき」で、腫瘍には良性と悪性のふたつがあります。一般にできるおできは良性の腫瘍であり、時間が経過すれば治るものです。しかし、腫瘍が悪性であった場合、周囲の正常な組織までも破壊しながら増殖していき、組織の中に入り込んで出血、壊死を起こします。さらには、血管やリンパ管を介して、ほかの組織に転移することもあります。

ガンは、発ガン因子(イニシエーター)によって起こり、さらに、ガンを成長させる因子(プロモーター)によって増殖していきます。

私たち人間も含めた脊椎動物のすべての細胞に、ガンを起こす遺伝子が存在しています。そして、正常な細胞のもとでは、遺伝子は静かに眠っています。もし活動を始めても、私たちの体に本来備わっている免疫機能によって、その活動は封じ込められます。ですが、なんらかの原因により、突然ガンを起こす遺伝子が異常に動き始め、細胞を徐々にガン化してしまうのです。

そうして、ガンはどんどん自己増殖し、周囲の正常な細胞から栄養を吸収していきます。すると、全身の栄養状態が悪くなって衰弱していき、食欲がなくなり、体重が減り、最終的に死に至ります。

ガンと食生活

ガンの因子については多くのことがあるのですが、その中のひとつには食生活に関係した要因があります。ガンが発症するのを手助けする因子のうち、100%中の約40%が食べもの、約30%が煙草、約10%が感染で、あとは環境汚染や職業などによるといわれています。つまり、食生活の改善と禁煙をすることにより、ガンになる原因の半分以上は取り除くことができる、ということです。

私たちの体のさまざまなところにガンは発症しますが、発症部位によって食生活との関係も違ってきます。

例えば、胃ガンには高糖質、高食塩、低脂肪の食事が関与していると考えられています。熱いものを食べる習慣、魚などの焦げた部分も食べる、乳製品の不足などは胃ガンの誘因となります。大腸ガンになりやすいのは、肉が好きで脂肪の摂取量が多く、食物繊維の摂取量が少ない人です。欧米人に多いガンですが、日本でも食の欧米化に伴い増加しています。肝臓ガンについては、肝炎ウイルスやアルコールの摂り過ぎが原因と考えられています。アルコール性肝炎から肝硬変、肝臓ガンへと移行します。乳ガンでは、油っこいものが好きな肥満の女性に多いことがわかっています。

ガン全般に対する予防成分としては、食物繊維、ビタミン類などがあげられています。

ガンを防ぐための食べ方

  • 毎日変化のある食事をする
  • バランスの良い栄養を摂る
  • 緑黄色野菜や適量のビタミン、繊維質を多く摂る
  • 食べ過ぎを避け脂肪を控えめにする
  • 塩辛いものは控えめにする
  • アルコールは控えめにする
  • 熱いものは冷ましてから食べる
  • 焦げた部分は食べない

調理のコツ

栄養のバランスが良く、脂肪を控えた薄味のメニューにします。食品は同じにならないよう、さまざまなものを使いましょう。野菜がたくさん摂取できるように、主食のほか、肉や魚、卵、豆腐といったタンパク質食品と一緒に使う料理にするとよいです。

初心者にもわかりやすいコンテンツ – 健康&美容(食べ物とガンの関係)はガンは血液を浄化させることで撃退する理論がわかります。

脳卒中

病気の原因と症状

脳の血管に障害が起きて、それにより血液の循環が悪くなって、意識や言語の障害、麻痺(まひ)などが引き起こされるものを脳卒中といいます。原因や症状などの違いから、いくつかのタイプに分類されます。

脳梗塞、脳硬化(脳血栓、脳塞栓)

これらは、動脈硬化によって脳の血管に血栓といわれる血の塊が詰まったり、血管の中が狭くなったときに血液の循環が悪くなって、脳へ送る血液がじゅうぶんでなくなるために起こる病気です。

ろれつがまわらなくなったり、手足に力が入らなかったり、しびれが出たりする症状があり、時間が経過すると意識障害も現れます。

頭蓋内出血(くも膜下出血、脳出血)

くも膜下出血は、高すぎる血圧の刺激によって動脈に瘤(りゅう)ができ、それが破裂して脳の外側にあるくも膜下から出血するものです。脳出血では、高血圧によって脳に持続的に高い血圧が加わると、脳の小動脈が破裂して出血を起こします。

これらのように脳で出血を起こすと、頭痛や吐き気、意識障害などの症状が現れます。

脳卒中の食事療法について

脳卒中の発作が起きたとき

発作が起きたときには食べることができないので、栄養補給には、脱水と電解質の異常を防ぐために点滴で水と栄養剤を投与されます。発作後、数日が経過し吐き気や嘔吐がないことを確認できてから流動食を少しずつ食べるようになります。その後、三分粥、五分粥、全粥から普通のご飯へと移行していきます。

ただし、回復が悪くいつまでも食べることができない状態のときには、チューブを用いて鼻腔から栄養剤を流し込む方法がとられます。

まひ状態で咀しゃく、嚥下が困難なとき

咀しゃくや嚥下、つまり、食べ物を噛み砕いたり飲み込んだりするための筋肉がまひした状態では、食べ物がいつまでも口の中にあり、口からこばれてしまうこともあります。症状が回復するのにしたがって、流動食から半流動食へ移します。

ゆっくりとよく噛んで食べるように訓練するのも大切なことです。

調理のコツ

塩分の摂取に制限が必要になるので、薄味でもおいしく食べられるメニューを組み合わせ、塩分を効果的に使いましょう。

噛んだり飲み込んだりすることが困難な場合には、豆腐や茶碗蒸しなどのど越しの良いものや、ゼリーやプリンなどの半流動のもの、柔らかく煮たものをさらにミキサーにかけたり、裏ごしします。水分はむせることがあるので、ゼラチンや片栗粉などでとろみをつけると良いでしょう。

心臓病

病気の原因と症状

心臓は私たちの体の中で全身に血液を送るポンプの役割を果たしている重要な臓器で、この心臓が停止すると死に至ることになります。心臓が血液を送り出すことができるのは、心臓の筋肉(心筋)が収縮と拡張を繰り返しているからです。

心臓病とひとくちに言っても多くの種類があるのですが、中でも死亡原因の上位を占めている虚血性心疾患は恐ろしい病気です。この虚血性心疾患には、一般によく知られている狭心症や心筋梗塞があります。これらは、冠状動脈という心臓の外側の表面を覆っている動脈の血管に動脈硬化が起こり、血流が悪くなったり、詰まったりして生じるものです。血液の流れが悪くなると、ポンプの役割を正常に果たすことができず、症状として、胸の痛みや息苦しさ、吐き気などが現れます。

動脈硬化にならないようにしておくことが、狭心症や心筋梗塞を防ぐことになります。

心臓病の食事療法について

食事療法の中心となるのは、心臓病の発作が起きた時の対応と動脈硬化の危険因子の除去です。

消化・吸収の良いものを食べる

食事をすることで心臓には大きな負担がかかります。ですから、心臓病の発作が起きた時には消化・吸収の良いものを食べるようにして、できるだけ心臓の負担を減らしましょう。

脂肪を控える

発作が起きたらしばらくは低脂肪食にしておきましょう。脂肪の多い食事を摂ると血液中に脂肪が増加し、不整脈をおこしやすくなります。

食べる量を控えめにする

食べ過ぎると動脈硬化の危険因子の肥満、高脂血症(脂質異常症)、糖尿病などの誘因になります。肥満の人は減食して早めに減量し、心臓の負担を軽くしなければなりません。すでに糖尿病や高脂血症(脂質異常症)である場合には食事療法での治療が重要になります。

ゆっくり食べる

食事はゆっくりと時間をかけ、よく噛んで食べましょう。1回の食事につき、最低30分かけて食べることを目安にするとよいです。ゆっくり食べる習慣をつけると、ほかの生活の面でもゆっくりになり、発作の再発を防ぐことにつながります。

青魚をしっかり摂る

青い魚といえば、イワシやアジ、サバ、サンマなどがあります。これらにはEPAがが含まれていて、コレステロールを下げ、血栓を予防する作用があります。

食塩を制限する

食塩の摂取量が多いと、血液中のナトリウム濃度が増え、血液循環量も増すので、心臓はその分たくさん働かなくてはならないのです。

調理のコツ

発作が起きたあとには、油の多い料理は控えて、蒸す、煮るなどの消化が良いメニューにしましょう。また、油は動物性の油脂ではなく、植物性の油を使うようにしましょう。

できるだけ新鮮な材料を使い、酸味や香辛料をうまく利用して薄味でもおいしく食べられる工夫をします。

高脂血症(脂質異常症)

病気の原因と症状

私たちの体の血液の中には、コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸の4種の脂質が存在しています。そして、これらのうちのどれか1つでも多いと高脂血症(脂質異常症)とされています。コレステロールと中性脂肪が多くなると動脈硬化の危険が高くなるので特に注意が必要です。

血液と脂質というのは、水と油と同じでお互いに溶け合うことがなく、脂質自体はそのままでは血液中に存在することはできません。では、どのようになっているのかというと、タンパク質に包まれたかたちで存在していて、これは「リポタンパク質」と呼ばれています。リポタンパク質は、比重によって軽いものから重いものまで分類されていて、軽い順にカイロミクロン、超低比重リポタンパク質(VLDL)、低比重リポタンパク質(LDL)、高比重リポタンパク質(HDL)となっています。

高脂血症(脂質異常症)が起こる原因は、食生活の乱れや運動不足、また、遺伝もあると考えられています。食事では、量の食べ過ぎをはじめ、脂肪・糖分・アルコールの摂り過ぎや食物繊維不足が問題となります。

高脂血症には次のようなタイプがあって、症状の出方も違います。

Ⅰ型

血液中にカイロミクロンが多く中性脂肪が増大した状態。腹痛や膵炎、皮膚が脂ぎる、発疹性黄色腫などの症状があらわれます。

Ⅱa型

LDLが多く総コレステロールが増大した状態。末梢・冠状動脈硬化、節々や腱に脂肪の塊ができたりします。

Ⅱb型

VLDLとLDLが多く、中性脂肪と総コレステロールが増大した状態。動脈硬化のほか、節々や腱に脂肪の塊ができます。

Ⅳ型

VLDLが多く中性脂肪が増大した状態。糖質の代謝異常や、痛風になりやすい高尿酸血症が起こります。

高脂血症(脂質異常症)の食事療法について

高脂血症(脂質異常症)の予防や治療には、食事療法が最も重要になります。タイプによって、食事のポイントも違います。例えば、Ⅰ型とⅡ型では次のようになります。

Ⅰ型 食事から摂る脂肪が多く中性脂肪が増えたとき

  1. 脂肪の摂取量を減らす
  2. 油っこいものが好きな人は要注意ですが、この中性脂肪は食事からの脂肪なので、脂肪の摂取量を減らせば、中性脂肪も自然に減少します。

Ⅱa型 総コレステロールが増えたとき

  1. 食べ過ぎない
  2. 血中コレステロールを低下させるのに必要なのは、まず食べる量を減らして減量することです。摂取エネルギーの制限で、肝臓でのコレステロールの合成が抑制され、分解が亢進して血中コレステロールを下げることができます。

  3. コレステロールの摂取量を控える
  4. コレステロールは卵類、内臓類、バター、肉類に多く含まれています。食事からのこれらの摂取量を控えます。

  5. コレステロール低下作用のある食品を利用する
  6. コレステロールの低下作用が期待される食品には、植物油や海藻類、果物、きのこ類、大豆製品などがあります。

調理のコツ

エネルギーの低い食事にするために、肉や魚は脂肪が少ない部位を選びましょう。中性脂肪が増加している場合は、砂糖やジャム、菓子類などの甘いものはできるだけ控えるようにします。果物やアルコールの摂取のし過ぎは中性脂肪値を高くすることになるので、制限しましょう。コレステロールが増加している場合は、バターやラード、ロース肉やバラ肉は避け、牛乳や卵の摂り過ぎにも注意しましょう。

糖尿病

病気の原因と症状

糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンが正常に働かなくなることによって起こる病気です。糖尿病には、インスリン依存型と非依存型のふたつのタイプがあります。

インスリン依存型の糖尿病では、すい臓からのインスリンの分泌が悪くて絶対量が不足しています。かたや、インスリン非依存型糖尿病では、インスリンの分泌量がある程度あっても、インスリンが細胞に作用していくうえで機能が低下している状態です。

インスリン依存型の糖尿病については、小児期または青年期に発症しますが、原因としてはウイルス感染や自己免疫が関係しているのではないか、と考えられています。そして、このタイプではインスリンの注射をうちながら食事療法をおこなっていくことになります。

もう一方の、インスリン非依存型糖尿病については、成人や壮年期に発症することが多く、遺伝や体質的な関係が強いのです。それに加え過食や肥満、ストレスなどが原因となり発症することがあります。食生活の変化により、最近では子供でもこちらのタイプの患者が増えています。

糖尿病の症状には、全身の倦怠感や体重の減少、尿量の増加、のどの渇きなどがあります。特に強く出るのはのどの渇きで、水分を欲し夜中に何度も目が覚めるといいます。糖尿病の合併症では、血管障害をはじめ、神経障害、皮膚病、感染症、腎症などが起こります。特に問題なのは血管障害で、太い血管に起こる動脈硬化から狭心症や心筋梗塞を引き起こします。細い血管だと目の網膜の毛細血管に障害が起こり、ひどい場合には失明にいたることもあるのです。

治療には血糖降下剤が用いられますが、最も重要なのはやはり食事療法です。放置しておくと、自分自身でインスリン注射を打たなければいけなくなり、糖尿病性腎症では人工透析が必要になることもあります。

糖尿病の食事療法について

糖尿病の食事療法は、以前では糖質を制限することが中心でした。しかし、糖尿病の治療目的や目標が大きく変わり、食事療法の基本になることも、適正なエネルギーを補給する、各栄養素を適正に補給する、規則正しく食べる、というふうに変化しました。

インスリン依存型糖尿病の場合

インスリン依存型糖尿病の患者は発育期や成長期にあたるため、エネルギーの制限は厳しくおこなわず、必要な栄養素はじゅうぶん摂るようにします。大切なのは、必要なエネルギー量を確保すること、各栄養素の必要量を摂ること、糖尿病を上手にコントロールするために一日に何度かに分けて食べること、です。

インスリン非依存型糖尿病の場合

インスリン非依存型糖尿病の食事療法は、バランスの良い食事を腹八分目に食べる健康長寿食といえます。大切なのは、腹八分目にしておくこと、タンパク質・脂質・糖質の三大栄養素が過不足にならないようにすること、各種のビタミン・ミネラル類を不足しないこと、食物繊維が豊富な食品をじゅうぶん摂ること、です。

調理のコツ

見た目にボリュームがあるようなメニューを考えます。肉や魚は脂身が少ない部分を使うようにして、カサが大きなものや、海藻、きのこ類といったエネルギーの低いものと組み合わせて食べると良いでしょう。ただし、腎臓に障害のある場合には、肉や魚などのタンパク質の摂取に制限が出てきます。

揚げ物はなるべく避けて、炒め物やサラダなどに植物性の油を使います。味つけについては、砂糖の量を減らし、全体的に薄くします。

盛りつけは、大皿に山盛りにしないで1人ずつ別に盛り、できるだけ皿数が多くなるようにしましょう。

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