病気の原因と症状
心臓は全身へ血液を送り出すとき収縮と拡張をしますが、そのときの値が血圧で、それぞれを収縮期血圧、拡張期血圧といいます。一般に最高血圧といわれるのが収縮期血圧のことで、最低血圧といわれるのが拡張期血圧のことです。
WHO(世界保健機構)における分類では、最高血圧が140 mmHg未満であり、かつ最低血圧が90 mmHg未満が正常血圧と定められています。そして、最高血圧が160 mmHg以上、または最低血圧が95 mmHg以上だと「高血圧」とされます。
私たちの心臓は緊張することでドキドキしたり、急に寒い環境にたたされたりした場合にも、血圧は上がります。ただ、こういったときに血圧が上昇するのは一過性のもので、高血圧とはいいません。
高血圧になると、頭痛や肩こり、吐き気、めまいなどの症状があらわれることがあり、放置しておくと命にかかわる重大な病気を引き起こすのです。
高血圧には、何か他の病気が原因となっていることから起こる二次性の高血圧と、他には原因となる病気がなくても起こる本態性の高血圧のタイプがあります。
高血圧の人の9割が本態性高血圧であり、本態性というのは、つまり遺伝的な要因があるということです。引き金となっているのは、食生活の習慣です。血圧が高い人は、一般的に味の濃いものを好み、塩分を摂り過ぎの傾向があります。毎日の食生活では、塩分の摂り過ぎ以外にも、カルシウムやカリウムの不足を防ぎ、全体的な量の食べ過ぎにも気をつけなければなりません。
腎臓と高血圧はもちつもたれつ
腎臓には毛細血管が密集しています。高血圧に抵抗しているうちに血管壁は肥厚し、内径が狭くなると、組織の血液供給が不十分になって、腎硬化症となって機能は極度に落ちてきます。眼底の動脈は、血圧の変化がそのままあらわれやすい。動脈が細くなり、網膜出血がおき、ついに乳頭浮腫がおこるようになります。
高血圧症で心理的圧迫を感じているというのは、このような最悪の状態を無意識のうちに想定してしまうからでしょう。
こんな悪循環をくりかえしていると、内臓機能に変調がおきますが、とくに犠牲になりやすいのは腎臓です。また逆に、腎臓機能低下があると、高血圧がおきやすくなります。
若い人では、尿タンパクや血尿が出たりしているうちに、いつとはなしに高血圧がおきるし、中年以降では腎孟腎炎や前立腺肥大のため尿路がつまり、たまった尿で腎臓が圧迫されると、急に血圧が高くなる、というケースが多くなります。
腎臓機能が低下すると、腎臓は、ナトリウムやカリウムなどの電解質の代謝に関係のあるホルモンの分泌を促し、同時に血管の収縮をおこすため、結果として高血圧を招くことになります。
高血圧の食事療法について
高血圧の治療法には、食事療法をはじめ、薬物療法、ストレス解消などがありますが、なかでも重要なのは、やはり食事療法です。
食事では減塩によるナトリウムの制限が第一となります。漬け物や汁物など塩分が多い食品はできるだけ控え、全体的に薄味に調理します。食塩、みそ、しょうゆなどの消費量を日頃からチェックしておきましょう。
減塩をおこなっても血圧が低下しない、という場合もありますが、これは食塩に反応しないタイプの高血圧だと考えられ、血圧降下剤が用いられます。血圧降下剤を服用している場合にもそれだけで良いのではなく、食事で減塩をおこない、薬の効果を高めるようにしましょう。
また、全体的な食事の内容を検討して、栄養バランスが保たれているかチェックすることも大切です。
腹八分目にしておく
太った人には血圧が高い人が多いのですが、体重を落とすことで全身の血液の循環量が減って血圧が下がります。肥満で高血圧の人は、減塩とともにまずは減量しましょう。そのためには、満腹になるまで食べてはいけません。
油は新鮮な植物油か魚油にする
植物油や魚油には不飽和脂肪酸が含まれていて、この脂肪酸には血圧やコレステロールを低下させる作用があります。さらに、魚油にはDHAやEPAが含まれ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓を予防します。
血栓の予防にEPA・DHA
カルシウム、カリウムをしっかり摂る
カルシウムとカリウムは、食塩の中のナトリウムと競合しあってナトリウムの血圧上昇作用を抑えるので、これらをじゅうぶんに摂りましょう。カルシウムを増やす食品は、牛乳や乳製品、小魚、豆腐、緑黄色野菜など。
カリウムを増やす食品は、さまざまな野菜や果物です。野菜・果物は生で食べるほど、より多くのカリウムを摂ることができます。
トマトにはカリウムが豊富ですから旬の夏の間は、トマトをしっかり食べるのがおすすめです。
食物繊維の多い食品を摂る
食物繊維を豊富に含む食品は、食塩が血圧を上昇させる作用を抑制します。特に海藻や果物に含まれている水溶性食物繊維は、ナトリウムを包み込んで便の中へ排出させます。
消化のよすぎる食品はダメ
血圧の理想値は、年齢にかかわりなく、最大血庄120~130mmHGより高ければ高血圧です。高血圧症が中年以後の病気といわれたのは、一昔前の話。現在は、中学生や高校生にも高血圧症患者は多数います。
高血圧を招く最大の原因は、動蛋食品・精白食品の多食です。いずれも、血液を酸毒化させ、粘度をを高めてしまいます。
肉・卵・牛乳は、もともと穀菜食性であるわれわれの体には適しません。白米・白砂糖など精白された不自然食品は、体の自然性(生理)とは相容れないのです。どちらも、腸内細菌のバランスを崩してしまいます。その結果、病的な細菌が繁殖し、大量の毒素を生みだし、それがどんどん血液中に吸収されてしまうのです。また、動蛋食品も精白食品も、動脈硬化を促進し、血圧上昇の原因となります。
炭水化物は、われわれの体にとって何よりも重要な栄養的要素ですが、精白すると、共存しているミネラル・ビタミン・酵素成分が失われます。そのため腸壁から異常な速さで吸収されてしまいます。消化が過剰によくなりすぎる結果です。
高血圧の治療のポイント
- 降圧剤にたよらない。生理機能の必然性があって血圧は高くなっているのだから、化学薬剤で無理に血圧を下げてしまうのは、逆効果。体の自然性を回復させながら血圧を下げる、自然療法をおこなうことが大事。
- 動蛋食品の常食・多食をやめる。血液中の老廃物をふやし、血液の粘桐性を高める元凶である。
- 精白食品は極力避ける。白米や白砂糖などは動脈硬化を招き、血圧を上昇させる。
- 玄米・菜食に切り替える。根治の決め手である。玄米を主食にし、野菜・海藻・小魚、魚介類を副食とする。それに体質に合った健康食品と薬草茶をプラスするのが、基本原則である。
- 便秘を治す。血液中の老廃物を早く体外に排泄して、血液の粘調性を正常化する。
- 過食しない。食物は徹底的に噛んで食べ、よく吸収できるようにする。
調理のコツ
薄い味つけの食事でも、おいしく食べられる工夫をします。まずは新鮮な材料を使い、素材の持ち味を生かしましょう。
薬効食品と自然療法
- アカザ
- 葉茎を煎じて飲む
- くこ
- 葉を、クコ飯やゴマ和えにする
- ヨモギ
- 青汁を20ccほど飲む。
- そば
- ソバがきを、ときどき主食代わりにとる。ルチンが血圧降下作用をあらわす。
味にアクセントをつけるには、酢やレモン、ゆずなどの柑橘類で酸味を出したり、ごまやくるみなどで香味をつけたり、カレー粉やコショウ、からしなど香辛料を利用するのも良いです。
減塩を成功させる5原則は
です。
これらに真剣に取り組める人は減塩に必ず成功します。ほとんどの人が当たり前だと思って頭ではわかっても行動にうつせずにいます。
煮物や汁物には昆布やかつお節のだしを効かせましょう。
酢は天然の降圧剤とも言われています。発酵黒豆エキスは血圧を下げるには最適です。発酵黒豆エキスの効能と降圧効果
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