薬を使わない食事療法(病気・症状別)

疲労

病気の原因と症状

疲れというのは、多かれ少なかれ誰でも感じるものです。睡眠や休養をある程度とれば、疲れもとれるのが普通です。しかし、休養してもとれないような慢性的に起こる疲労だと、それは問題となります。

疲労には、肉体的疲労のほか、ストレスなどによる心の疲れの精神的疲労、脳や視神経が緊張した状態が続くことによる神経的疲労もあります。

肉体的な疲労は、あらゆる病気の症状としても考えられますが、代表的なものとして、糖尿病、肝臓病、胃腸病、貧血、内分泌代謝疾患、関節リウマチ、ガンなどがあります。

病気が原因ではない場合には、精神的疲労や肉体的疲労が重なって現れることが多く、これは、過労が蓄積したり、精神的・肉体的作業を長時間続けることなどによって、体内でエネルギー源となるグリコーゲンという成分が減ってしまい、エネルギー不足となっているのです。また、その一方では、筋肉への酸素の供給不足によって産生される疲労物質(乳酸)の蓄積が起こっています。

疲労感というのは、運動が不足しても現れますが、過度になっても現れるものです。日常生活で肉体労働が多いなら、横になってごろごろしたりして休息をとります。精神労働をしているなら、スポーツなどで体を動かすことが休息になります。いずれにしても、規則正しい生活を送り、じゅうぶんな睡眠をとることが大切です。

栄養ドリンクの「インスタント疲労回復策」にたよるな

現代人の間に慢性複合疲労シンドロームが蔓延していますが、基本的には肉体的疲労と精神的疲労とに分けられます。現代人の疲労は、体が疲れているようでいて、その実エネルギーを使いきっていないという面と、誤った食生活による内臓の生理的な疲労が隠されている、という2つの側面があります。

玄米・菜食に切り替えることによって、内臓疲労をとり去り、いくら疲れてもひと眠りすれば翌朝はスッキリ、という真の健康をとりもどすことが必要です。

かつてはビジネスマン専用だった疲労回復のドリンク剤が、いまやエネルギー飲料と名付けられて女性層に、はたまた塾帰りの子供にまで飲まれるようになってきました。これらのドリンク剤には吸収されやすいブドウ糖と、覚醒作用のあるカフェイン、そして微量のアルコールが含まれており、一時的に疲労感が軽減するような錯覚をもたらしています。愛飲者の心理の底には、何か栄養が不足しているから疲れるのだろうという誤解が潜んでいるようです。

しかし、問題点が2つあります。第一に、そのようなインスタントな疲労回復策にたよる人は、普段の食生活もまたインスタントであるということです。食生活のお粗末さのツケを、高価なドリンク剤で穴埋めするという本末転倒の過ちです。第二は、現代人の疲労は不足であるよりも過剰が原因である場合が圧倒的だということです。栄養およびエネルギーの過剰なのです。

根深いアンモニア疲労

人類は本来的に穀菜食の食性をもつのですが、とりわけ日本人は数千年にわたって肉・乳なしの食生活を続けてきたという歴史があります。それが戦後、急速に動物性食品がとりいれられるようになり、体の処理能力をはるかに超えるアミノ酸が体内にはいりこんできて、慢性的なアンモニア疲労を抱えるようになってきたのです。

アンモニアはアミノ酸が分解されてできる中間代謝産物で、非常な毒性をもっています。本来は肝臓で解毒され、尿素となって腎臓でろ過されて体外に排泄されるのですが、とても肝臓や腎臓で処理しきれずに血中にだぶつくのです。

現代人は、重要な解毒器官である肝臓・腎臓が疲労しており、働きが鈍くなっているのです。血液はタンパク過剰でドロリとしており、めぐりが悪く、アンモニア毒は全身にまわっている状態です。

また、消化に要するエネルギーを比較すると、肉類は植物性食品の2倍以上とされます。肉類を過食すると、消化器の疲労が重なるということも、全身的疲労の上ぬりをする。体内のアミノ酸過剰は、当然、アレルギー体質をつくります。
いくら休息してもどことなく疲労感があり、だるい、朝起きた直後は頭がボーッとしているという症状の陰には、アレルギー反応が恒常的に起こっています、

病院では自律神経失調症と診断され、副交感神経の働きを抑える化学薬剤を処方されますが、それを飲む前にアレルギーを疑う必要があるのです。これはアンモニア疲労と一連のものです。

肉体疲労は積極的に重ねるべし

もうひとつの過剰はエネルギーです。普通の肉体的な疲労というのは恐れる必要はなく、むしろ積極的に上手に疲労を重ねることによって体はきたえられ、回復力が高まります。ところが現代人は体を使うことが少なくなり、エネルギーが十分に発散されず、これが逆にモヤモヤとした精神的疲労の原因になっています。その一例が不眠症であり、その結果が寝不足感です。このような疲労感は逆に運動などをしてエネルギーを十分に使えば、休息では得られない爽快感を得られるものです。

疲労の治療のポイント
  1. 動物性食品をやめ、玄米・菜食に切り替えること。根治の決め手である。
  2. インスタント食品や外食を減らし、1日1食でもきちんと自然医食を実行すること。朝食や、時には夕食を欠食しても大丈夫。むしろ、栄養過剰を心配すべきだ。
  3. 積極的に体を使い、エネルギーの出し惜しみをしない。寝床についたらすぐ眠れるくらい、肉体的疲労を重ねるよう自分に鞭打つ心がけが必要。
  4. 適度の酒は精神的ストレスと疲れを癒す。
  5. 酢は肉食過剰の疲労回復にはよいが、溶血性に作用し、玄米・菜食ではあまり必要ではない。肉毒を消すミカンを多少とってもよい。
薬効食品と自然療法
ネギ類
炭水化物の代謝に必要なビタミンB1の効果を高める。とくにニンニクやニラは強壮食品として、昔から愛用されてきた。また、抗アレルギー作用もある。
はい芽
各種のミネラルやビタミンの宝庫で、炭水化物の代謝をスムーズに進行させる。精白食品の常食によっておこる糖代謝不全の疲労に効果がある。
朝鮮人参
肉体疲労ばかりでなく、抗ストレス食品でもある。
葉緑素
浄血・解毒・抗アレルギーに。

疲れているときの食事療法について

何かの病気が原因で疲れが現れている場合は、その病気の治療をすることが第一ですが、疲れが現れる原因となる病気がない場合には、休養をとりながら、疲れがとれやすい食事をしていきましょう。

しっかり食べてエネルギーを補給する

まずエネルギーを補給しなければなりませんが、中でも糖質から摂ることがおすすめです。糖質は体内に入るとブドウ糖になり、脳や神経系のエネルギー源となります。これは、精神的な疲労を回復させるために役立ちます。また、脂肪の分解をおこない筋肉のエネルギー源にもなるのですが、筋肉にたまった疲労物質をとり除くには糖質が必要なので、肉体的な疲労にも役立つということになります。

良質なタンパク質をとる

肉体労働によって筋肉を使ったときにタンパク質の必要量は増えるのですが、それだけでなく、精神的ストレスがかかったときにも必要量は増えます。私たちの体は、ストレスがかかるとそれに対抗するためのホルモンをいくつか分泌して、ストレスを乗り越えようとします。そのときに、それらのホルモンによってタンパク質の分解が亢進します。ですから、精神的にも肉体的にも疲れやすいという人は、タンパク質を多めに摂ると良いです。

ビタミン、ミネラルをじゅうぶん摂る

ビタミンB1やB2、ビタミンC、カルシウム、鉄分などは、疲労と関係のある栄養素です。日頃、疲れても栄養剤などを飲むと治まってしまう人は、こういった栄養が不足している可能性があります。根本的な方法としては、やはり、栄養不足にならないよう、毎日の食事に気をつけることでしょう。

調理のコツ

体を動かし過ぎたとき、または、大きな精神的ストレスがかかったときには、肉や魚、卵、牛乳、大豆製品などのタンパク質が不足しないようにします。また、ビタミン類が豊富な緑黄色野菜などを積極的に摂りましょう。

炒めものや揚げもの、サラダなどで、高エネルギーの油を上手に摂ります。疲れているときには食欲がそれほど無いでしょうから、酢や香辛料を利用して、食欲アップにつなげましょう。

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