薬を使わない食事療法(病気・症状別)

心臓病

病気の原因と症状

心臓は私たちの体の中で全身に血液を送るポンプの役割を果たしている重要な臓器で、この心臓が停止すると死に至ることになります。心臓が血液を送り出すことができるのは、心臓の筋肉(心筋)が収縮と拡張を繰り返しているからです。

心臓病とひとくちに言っても多くの種類があるのですが、中でも死亡原因の上位を占めている虚血性心疾患は恐ろしい病気です。この虚血性心疾患には、一般によく知られている狭心症や心筋梗塞があります。これらは、冠状動脈という心臓の外側の表面を覆っている動脈の血管に動脈硬化が起こり、血流が悪くなったり、詰まったりして生じるものです。血液の流れが悪くなると、ポンプの役割を正常に果たすことができず、症状として、胸の痛みや息苦しさ、吐き気などが現れます。

動脈硬化にならないようにしておくことが、狭心症や心筋梗塞を防ぐことになります。

心臓病の食事療法について

食事療法の中心となるのは、心臓病の発作が起きた時の対応と動脈硬化の危険因子の除去です。

消化・吸収の良いものを食べる

食事をすることで心臓には大きな負担がかかります。ですから、心臓病の発作が起きた時には消化・吸収の良いものを食べるようにして、できるだけ心臓の負担を減らしましょう。

脂肪を控える

発作が起きたらしばらくは低脂肪食にしておきましょう。脂肪の多い食事を摂ると血液中に脂肪が増加し、不整脈をおこしやすくなります。

食べる量を控えめにする

食べ過ぎると動脈硬化の危険因子の肥満、高脂血症(脂質異常症)、糖尿病などの誘因になります。肥満の人は減食して早めに減量し、心臓の負担を軽くしなければなりません。すでに糖尿病や高脂血症(脂質異常症)である場合には食事療法での治療が重要になります。

ゆっくり食べる

食事はゆっくりと時間をかけ、よく噛んで食べましょう。1回の食事につき、最低30分かけて食べることを目安にするとよいです。ゆっくり食べる習慣をつけると、ほかの生活の面でもゆっくりになり、発作の再発を防ぐことにつながります。

青魚をしっかり摂る

青い魚といえば、イワシやアジ、サバ、サンマなどがあります。これらにはEPAがが含まれていて、コレステロールを下げ、血栓を予防する作用があります。

食塩を制限する

食塩の摂取量が多いと、血液中のナトリウム濃度が増え、血液循環量も増すので、心臓はその分たくさん働かなくてはならないのです。

調理のコツ

発作が起きたあとには、油の多い料理は控えて、蒸す、煮るなどの消化が良いメニューにしましょう。また、油は動物性の油脂ではなく、植物性の油を使うようにしましょう。

できるだけ新鮮な材料を使い、酸味や香辛料をうまく利用して薄味でもおいしく食べられる工夫をします。

モバイルバージョンを終了