過敏性腸症候群(IBS)

病気の原因と症状

過敏性腸症候群とは、大腸そのものには、炎症や病変がみられないのに、腹部に不快感をともなう下痢便秘といった便通異常、そして腹痛を慢性的に繰り返す病気です。過敏性腸症候群はIBSともいわれますが、このIBSは、さまざまなストレスを抱える現代人に急増している心の病気のひとつです。

過敏性腸症候群(IBS)についての詳細はこちら。

名前のとおり、腸が過敏になって起こります。腸と脳は密接に関係している部分があって、脳がストレスや不安を感じることで、その信号が腸に伝わって影響を与えてしまうのです。

日常的に起こる腹痛や便通異常との見分けがつきにくいものですが、主な原因は心理的ストレスです。過敏性腸症候群のタイプは次の3つに分類されます。

  • 下痢型
  • 外出先で急な腹痛が起き下痢をする。外出が困難になることがある。

  • 便秘型
  • うさぎのフンのような硬くコロコロした便が多く、排便が困難になる。

  • 混合型
  • 下痢になったり便秘になったりを繰り返す。

男性には下痢型、女性には便秘型が多い傾向にあるといいます。

腸に異常が見られないのに、なぜ、痛みや不快感、便通異常が起こるのでしょうか。その原因は複数あると考えられ、未だに解明されていませんが、最近の研究から「腸内細菌」が誘因であることがわかってきました。
過敏性腸症候群の人は、そうでない人と比べて腸を拡張する刺激に対して敏感に反応してしまいます。

その原因のひとつとして、腸内細菌のバランスが崩れることによって悪玉菌が増え、腹痛や腹部の不快感といった知覚過敏が起きやすいということがわかってきたのです。
腸内環境を整えることがこの病気を改善の道でもあります。つまり整腸が重要な鍵となります。整腸といえばやはり乳酸菌です。

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おもにストレスが原因で起こる胃腸の不調や病気を改善するには、まずは、そのストレスの原因となっている事柄を解決できるのが一番です。そして、自律神経が正常になるような生活に改善することが必要ですから、食事療法や運動療法が重要になります。規則正しい生活で体のリズムを整えること、リラックスできる時間をつくることも大切です。

過敏性腸症候群の食事療法について

刺激となる食品を控える

アルコールやカフェイン、炭酸が含まれているような飲料、香辛料などは腸管を刺激するので、できるだけ控えるようにしましょう。ビールのような炭酸系のアルコール類には、特に注意が必要です。
また、冷たいものも注意します。

食物繊維はタイプによって調整する

この病気には、下痢をしやすいタイプと便秘をしやすいタイプがありますから、タイプによって食物繊維の摂取量を調整します。下痢型の場合、食物繊維が腸壁を刺激し症状を悪化させるので制限しましょう。便秘型の場合は、便をやわらかくし便通を良くするために食物繊維を摂りましょう。ただし、多く摂り過ぎると腸内発酵が促進され、ガスが腸を刺激するので注意します。

牛乳・乳製品を摂らない

牛乳には、乳糖という特別な糖質が含まれています。赤ちゃんのときには皆にこの消化酵素があるのですが、それは大人になるに連れ、欠如していくことがあります。これを乳糖不耐症といいますが、牛乳を飲むとお腹がごろごろして下痢をしたり、過敏性腸症候群を悪化させる原因になることもあるので、牛乳や乳製品は摂らないほうが安心です。

調理のコツ

バランス良く食べること、規則正しく食べることが大切です。下痢の場合は、繊維質の多い食品を控えて消化の良い食品や調理法にします。便秘の場合には、海藻類やきのこ類、野菜など繊維質を多めに摂ります。

風邪・インフルエンザ

病気の原因と症状

鼻やのどを中心とした上気道に起こる、急性の炎症のことを風邪(かぜ)といいます。風邪の原因となるのは、鼻やのどがウイルスに感染することです。風邪のウイルスの種類はとてもたくさんあって、どのウイルスに感染したのかを特定することは困難だといわれています。同じウイルスでも型がいくつもあり、しかも、それが年々変異するので、一度感染したウイルスに免疫ができたとしても、次々に新しいウイルスに感染して、何度も風邪をひいてしまうのです。

風邪の症状には、ご存じのとおり、くしゃみや鼻水、鼻づまり、のどの痛み、せき、たん、発熱などがあります。これは、ウイルスが粘膜から感染して炎症を起こすからです。

体がウイルスと戦いはじめると、粘膜の内部の組織に炎症が起きて、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こします。のどでは、のどの粘膜の炎症が起こり、せきやたんというかたちで、異物を外へ出そうとします。また、熱が出るのは、ウイルスの侵入によって体に異変が起こったことを知らせるサインで、自分で自分の体をなおそうとする免疫の働きが活発になっているからです。

インフルエンザも、風邪と同じく、鼻やのどの上気道の感染によって起こる病気です。しかし、インフルエンザを起こすインフルエンザウイルスは、風邪を起こすウイルスとは異なり、症状の重さも異なるので、別の病気だと考えたほうがよいでしょう。

インフルエンザでも鼻水やのどの痛み、せきなど風邪と同じような症状がありますが、風邪と比較すると高い熱が出て、関節痛や筋肉痛などの全身症状を伴います。また、インフルエンザ脳症や肺炎など、重い合併症を起こしやすいことが風邪とは異なります。

風邪・インフルエンザの食事療法について

ウイルスに対する抵抗力をつけるために、安静にして保温を保ち、食事療法をおこないます。

エネルギーが不足しないように気をつける

風邪をひいた時の食事というと、あっさりしていて消化の良いおかゆになりがちでは?
風邪により熱が出て体温が1度あがると、10パーセントくらいの基礎代謝が働くので、そのぶんエネルギー消費量が増えます。エネルギー量が多く必要になるのにおかゆだけだとエネルギーが不足し、体力の低下や体重減少が起こり、やつれてしまうのです。エネルギーアップのためには、消化の良いごはんのほか、めん類やパン、はちみつ、砂糖、乳酸菌飲料などを摂りましょう。

水分とミネラルをじゅうぶん摂る

水分、ナトリウム、カリウムが体内から大量に失われて、電解質のバランスがくずれ脱水症状が起こりやすくなります。お茶、スポーツドリンク、スープなどで水分とミネラルをしっかり補給しましょう。

調理のコツ

肉や魚介類、卵、豆腐、乳製品といったタンパク質食品を中心に、バランスの良い内容でじゅうぶんなエネルギーを摂取します。熱がある時には、口あたりや消化が良いものにするとよいでしょう。煮る、茹でる、蒸すなどして、やわらかく食べやすいメニューにしましょう。

関節リウマチ

病気の原因と症状

関節リウマチとは、体のいろいろな場所の関節に炎症が起こって、関節が腫れて痛みがでる病気です。年月を経て進行すると関節が変形したり、悪化して関節同士が癒着し、動かすことができなくなる機能障害が起こったります。

関節リウマチはさまざまな年齢の人に起こりますが、30歳代から50歳代くらいで発病する人が多く認められているといいます。男性と比べ、女性のほうが3倍くらい多い病気です。

膠原病(こうげんびょう)という自己免疫疾患のうちのひとつで、アレルギー疾患の一種とされています。本来ならば自己防衛のため体外から侵入する異物を攻撃するはずが、何らかの原因により、自分の臓器や細胞を攻撃し破壊してしまうのです。

病気の原因は詳しくはわかっていないようですが、患者の免疫に異常があることがよく知られています。このため、遺伝子の何らかの異常か、感染したウイルスや細菌などの影響か、あるいはこの両方によって起こるのではないかと考えられています。また、過労やストレスなどをきっかけに発症することもあるようです。

病気の初期症状では、『朝のこわばり』といって、朝目覚めた時に、手の指がこわばっていたり、腫れぼったく感じたり、しびれを感じたりするという特徴があります。進行すると、手足の指の関節や、手首、足首、ひじ、ひざ、股関節などが関節炎を起こし、熱っぽくなって腫れます。また、関節が破壊され変形します。

関節痛は、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら慢性の経過をたどります。リウマチは活発に活動する時期とおとなしくしている時期とがあって、活発な活動期には、関節だけでなく体のいろいろなところに症状が出やすくなります。

関節リウマチの食事療法について

この食事療法は、誘因となったストレスを除去し、全身の栄養状態を良くするためにおこないます。炎症を抑制する作用のある多価不飽和脂肪酸の効果に期待ができます。

さまざまな栄養をバランス良く摂る

肥満がある場合は、体重が負担となって関節痛が悪化するので、食事量を減らします。このとき、各栄養素を過不足なく摂取することが基本です。結合組織の主成分はタンパク質ですから、良質なタンパク質をしっかり摂りましょう。また、結合組織での代謝を円滑にするためには、各ビタミン・ミネラルをじゅうぶん摂りましょう。

カルシウムと鉄をじゅうぶん摂る

関節リウマチの治療にはステロイド剤が使われますが、副作用で骨粗しょう症のような症状が出るので、牛乳や乳製品を多めに食べてカルシウムを摂取します。

多価不飽和脂肪酸を摂る

多価不飽和脂肪酸を積極的に摂取することによって、炎症が抑制されることがわかっています。多価不飽和脂肪酸には、植物油ではリノール酸、リノレン酸が、魚の油ではエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などが多く含まれているので、こういった食品をじゅうぶん摂りましょう。新鮮な油は特に良いです。

調理のコツ

手指の関節に機能障害があるときには、食材をやわらかく煮たり、細かく刻むなどして食べやすくしましょう。肉類は脂肪が少ない部位を選び、乳製品なら低脂肪ヨーグルトなど動物性脂肪が少ないものを選びます。油は植物性が良いです。魚を食べるなら、EPA・DHAが豊富に含まれるイワシ、サンマ、サバなどの青身魚をメニューにとりいれましょう。

骨粗しょう症

病気の原因と症状

骨粗しょう症とは、骨が軽石のようになり、たくさんの小さな孔が空いたようになってしまう病気です。骨に鬆(す)が入ったように中がスカスカになり、もろくなって、小さな衝撃でも骨折しやすくなります。

ガンや心臓病、脳卒中のように、直接、生命の危険となる病気ではないのですが、骨粗しょう症による骨折から寝たきりになってしまう人もいるのです。

骨は新陳代謝により、私たちの体の中では、繰り返し古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨がつくられています(骨形成)。しかし、この新陳代謝のバランスがくずれ、骨吸収が進んで骨形成が追いつかなくなると、骨がスカスカの状態になってしまうのです。

骨粗しょう症は男性にもみられますが、閉経による女性ホルモンの分泌の低下が骨密度を低下させるため、特に女性に多くなります。このような生理的な体の変化のほか、遺伝的要因や栄養不良、運動不足などの生活習慣も、骨粗しょう症の発症に大きく関係していることがわかっています。

女性の骨密度は18歳くらいでピークに達し、40歳代くらいまではほとんど一定ですが、その後は急速に低下していきます。骨をつくるのに必要なカルシウムは、腸から吸収されて骨に取り込まれますが、年をとると腸管からのカルシウムの吸収が悪くなってしまうのも骨密度が低下してしまう原因のひとつだといわれています。

このように、多くの人は年齢を重ねるとともに、骨密度が減ってしまいます。しかし、バランスのとれた食事や適度な運動を心がけることにより、骨密度の低下を防いだり、低下の速度を遅らせたりすることができるのです。

こちらのページには片足で1分間立つフラミンゴ運動が骨粗鬆症改善に役立つと紹介されています。ウォーキングやスクワット運動より手軽に出来てよさそうです。

骨粗しょう症の食事療法について

骨粗しょう症を予防するには、若い頃からカルシウムをじゅうぶんに摂って、運動を適度におこない、丈夫な骨をつくっておくことです。骨粗しょう症になっても、バランスの取れた食事で、骨密度の低下を遅らせます。

カルシウムをしっかり摂る

丈夫な骨をつくるのに必要なカルシウムは、牛乳や乳製品、小魚、海藻、緑黄色野菜などに多く含まれています。これらの食品の中でも、特に吸収が良いといわれているのが牛乳や乳製品に含まれているカルシウムです。

牛乳が体質に合わずお腹を下してしまうという人は、チーズ、ヨーグルトといった乳製品から摂取するとよいでしょう。

ビタミンDが豊富な食品を摂る

骨粗しょう症には、カルシウムと一緒にビタミンDを摂取することも大切です。ビタミンDには、カルシウムが腸から吸収されるのを助け、血液中のカルシウムが骨へ沈着する割合を高める働きがあります。

調理のコツ

カルシウムをじゅうぶんに摂れるメニューを考えます。小魚や大豆製品、小松菜、春菊、ニラなどの緑黄色野菜、それから、ひじきやわかめなどの海藻類にもカルシウムが豊富に含まれていますから、こういった食品を普段から摂りましょう。牛乳や乳製品をおやつに利用するのも良いです。

肥満

病気の原因と症状

肥満というのは、単に体重が多いということだけではありません。食事から体内に摂取されたエネルギーと、体を動かすことなどで消費されるエネルギーのバランスが問題となります。このバランスがくずれて、体内にエネルギーが余ると体脂肪に変わります。そして、その一部は脂肪組織へ蓄積されていくのです。このようにして、体脂肪量が異常に多くなった状態を肥満といいます。

例えば、体内に水分がたまってむくみがあったりと病的な状態で太って見えるような場合は、肥満ではありません。

標準体重や肥満度などという言葉をよく聞くと思いますが、肥満を正確に判定することはなかなか難しいものです。それは、人間の体脂肪を直接的に測定することができず、脂肪の量がわからなければそれが多いのか少ないのかが判断できないからです。

肥満を判定する方法として、日本肥満学会では、BMIが用いられていて、体重(kg)÷身長(m)÷身長の計算で、22が適正体重だとされています。

肥満の人は体脂肪量が増加している状態で、体が重い、歩きにくい、座りにくい、息切れがするというように、体を動かすのに不便なことが多いものです。

太っているくらいいいじゃない、と深く考えない人もいるかもしれませんが、肥満は本当は恐ろしい病気です。高血圧や糖尿病をはじめ、動脈硬化、高脂血症、脂肪肝、女性なら月経異常、子宮ガンや乳ガンなどの誘因となるのです。こういった病気にかかると、それに伴いさまざまな症状があらわれることになります。

肥満の食事療法について

脂肪が体内に異常に蓄積された状態の肥満の治療は、その脂肪を除去することです。体脂肪はエネルギーをたくさん貯蔵するエネルギーバンクのようになっているので、体脂肪を落とすには、体内にエネルギー不足の状態をつくることが必要です。体は、エネルギーが不足すれば、それを補うために体脂肪を分解してエネルギー源にするのです。

エネルギー不足の状態にするには、次の3つがあります。

  1. エネルギーが体に入る量を減らすこと、つまり、食事の量を減らして摂取エネルギーを制限します。
  2. エネルギーが体から出る量を増やすこと、これは運動によって消費エネルギーを増やします。
  3. 1と2の両方を併用します。

最も合理的で勧められているのは、3つめの両方とも行う方法です。

食事療法だけ行うと栄養素が不足して健康を害する可能性があります。しかも、体重の減少がストップしたり、リバウンドしてしまったりということも考えられます。また、運動療法だけ行っても、なかなか減量するのが難しいこともありますから、やはり、食事も運動も併せて行うことが望ましくなります。

腹八分目にしておく

エネルギー量を、いつもの食事の8割くらい(腹八分目)に抑えます。こうすると、始めてからしばらくは空腹感が起こり辛いこともありますが、それを乗り越えられるかが勝負です。そのうちに、体が少食に慣れてきます。

低カロリーの食物繊維を摂る

食物繊維は、ほとんどエネルギーを産生しません。しかも、糖質や脂質の吸収を遅らせて、体脂肪の合成を促進するインスリンの分泌を緩やかにします。食物繊維が多い食品だとよく噛まないと飲み込めないので、自然に食べるのに時間がかかり、早食いを直すことができます。

栄養バランスを保ち、必要量を摂る

健康を維持しながら痩せるためには、栄養素はすべて必要です。脂抜きダイエットや主食抜きダイエットなどといいますが、こうして脂質や糖質、タンパク質などをカットすることは良くありません。各種ビタミン、ミネラルもしっかり摂りましょう。

食事を夜型にしない

朝食にしっかり食べたのと、夕食のまとめ食いや遅い時間の夜型の食事では、体重の変化が違ってきます。夜にまとめて食べたり、遅い時間に食べる、食べてすぐ寝るなどは太りやすいので、朝食や昼食にしっかり食べ、夕食は軽く、夜食はとらないのが理想です。

調理のコツ

低エネルギーにしますが、見た目にボリューム感が出るような調理や盛りつけを考えます。炭水化物、糖質は少なめに、肉や魚などは脂肪が少ない種類や部位を選びます。できるだけ油を使わない調理法にしましょう。

関連サイト(外部リンク)

サイト名:Q&A形式によるダイエット情報
URL:http://qa-diet.info/

痛風

病気の原因と症状

痛風は、体の中に尿酸がたまり、それらが結晶になって、激しい関節炎を伴う病気です。放っておくと激しい関節の痛みを繰り返したり、体のあちこちに結節ができたり、腎臓が悪くなったりする重大な病気でもあります。腎炎ネフローゼ腎不全→人工透析が最悪のパターンです。

この痛風は、かつては帝王病などと比喩され、贅沢な食事ができる人だけの病気だとされていました。しかし、日本の食生活はとても豊かになり、欧米化が進んだため、痛風になる人が増えたのです。

血液の中に尿酸(にょうさん)という物質が含まれているのですが、病気の原因は尿酸が異常に増えることで、痛風が起きる前には、血液の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が長く続きます。そのまま放っておくと、尿酸は関節や腎臓に付着して、炎症発作を起こします。突然、足の親指のつけ根などの関節が赤く腫れて痛くなります。その痛みはとても激しく、耐えがたいほどの痛みだといいます。

この痛風発作は、たいていの場合、1週間から2週間で次第におさまって、しばらくすると全く症状がなくなります。ただし、1年以内に同じような発作を起こしやすいので油断は禁物です。繰り返しているうちに、発作の間隔は短くなってきます。そして、関節の痛みだけでなく、関節の周りや耳や手の甲などに尿酸の塊のしこりができたり、腎臓が悪くなったり、尿路結石ができたりする人もいます。

急性から慢性になりやすく、最終的には重症の慢性痛風になる可能性も高いので、放置しておくのは危険です。

痛風の食事療法について

痛風の原因となっている尿酸の代謝を改善することが、予防や治療になります。薬剤を用いての治療もされますが、痛風の予防や悪化、再発を防ぐには、食事療法が必要です。

プリン体を制限する

プリン体は、食物全般に含まれる成分で、尿酸が合成される時に材料になります。ですから、まずはこのプリン体の摂取量を減らします。代謝の活発な組織に多く含まれているので、肉や魚介類の内臓類は避けましょう。

タンパク質を摂り過ぎない

卵、乳製品を除いたタンパク質食品には、一般にプリン体が多く含まれています。普段、主食を食べずにおかずばかり食べている人は、タンパク質の摂取が多くなりがちなので気をつけましょう。

アルコール類を禁止する

アルコールは高エネルギーであり、飲み過ぎると酵素による調節が低下して、尿酸の排泄が悪くなります。アルコールの中でも、ビールや発泡酒は特にプリン体が多く含まれているので気をつけましょう。ただし、近頃は低プリン体で、プリン体ゼロなどとうたわれる商品も増えています。

水分を摂って尿酸を排泄する

水分の摂取量を増やし、尿量を増やして尿酸の排泄を助けるために、普段から水分をよく摂るようにしましょう。ただし、砂糖入りの飲料はダメです。糖分が増えると肥満を助長し、尿酸ができやすくなるためです。

調理のコツ

プリン体が多く含まれる肉や魚介類は摂り過ぎないようにして、内臓類は避けます。動物性脂肪は控え、植物性の油を使います。砂糖の入った飲料や菓子などは控え、エネルギーの摂り過ぎに注意します。アルコールは基本的に禁止です。血圧が高くなくても、薄味にしておきます。

関連サイト(外部リンク)

サイト名:成人病のわかれ道、体脂肪率30%のライン | かくれ肥満のための知識と肥満の減らし方
http://metaboliz.net/hidden/archives/37

「生活習慣病」と呼び方が変わりつつありますが、体脂肪率30%以上になることで増える成人病には、糖尿病、高血圧、高脂血症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、脂肪肝、胆石症、痛風、骨粗鬆症、関節障害、大腸ガン、子宮体ガン、乳ガンなどがあり、放置すると、寝たきりになったり、最終的には死に至るといった深刻な結果を招く可能性が大きく、たかがかくれ肥満とあなどると、取り返しのつかないことになります。

貧血

病気の原因と症状

血液中の赤血球やヘモグロビン濃度が低下して、酸素を全身へ運ぶ力が低下している状態を貧血といいます。ヘモグロビンというのは、赤血球の主な成分であり、ヘムという鉄を含んだ色素とタンパク質の一種が結合してできています。

貧血は原因によっていくつかの種類に分けられます。赤血球の産生の障害や破壊の亢進、また出血などの原因が考えられ、いちばん多いのは鉄欠乏性貧血といわれる貧血で、そのほか、失血性貧血、溶血性貧血、ビタミンB12欠乏性貧血・葉酸欠乏性貧血、再生不良性貧血などがあります。

貧血になると酸素が欠乏し、ヘモグロビンが減少して皮膚や爪が白っぽくなります。酸素をなんとかして運ぼうとするので、動悸や息切れも起こったりします。

貧血の食事療法について

貧血にはいくつかの種類がありますが、どの貧血についても、赤血球の産生に良い条件をつくることがポイントとなります。そのために食事療法が必要ですが、鉄欠乏性貧血やビタミンB12・葉酸欠乏性貧血には特に効果的です。

吸収の良いヘム鉄を摂取する

まずは、ヘモグロビンの重要な成分である鉄を増やすことです。
食品に含まれている鉄には、その状態によって2種類あります。そのうち、肉や魚などの動物性食品に含まれるものを「ヘム鉄」といいます。一方、穀類や緑黄色野菜に多く含まれるものを「非ヘム鉄」といいます。ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも5倍ほど吸収率が高いので、効率良く鉄分を摂るには、腸管からの吸収率の良いヘム鉄のほうが良いです。

良質なタンパク質を摂取する

タンパク質が不足すると骨髄での血液をつくる機能が低下する危険がありますし、ヘモグロビンは鉄と同時にタンパク質からできているので、タンパク質をしっかり摂る必要があります。肉や魚貝類のタンパク質なら、吸収の良くない非ヘム鉄の吸収を助けるはたらきがあります。

胃酸の分泌を刺激する

胃の粘膜が刺激されて胃酸の分泌が亢進すると、鉄の吸収率がアップします。ですから、この作用がある酢や柑橘類などを多く摂りましょう。

タンニンを摂り過ぎないようにする

コーヒーや紅茶、緑茶などには、タンニンが多く含まれています。タンニンは、鉄と結合すると水に溶けず吸収が悪くなります。食後にはこれらの飲みものが欲しくなりますが、飲み過ぎないように気をつけましょう。

調理のコツ

動物性タンパク質食品なら、肉や魚の内臓類、貝類などを使います。納豆や高野豆腐などの大豆製品、緑黄色野菜、海藻類にも鉄分が含まれているので、メニューにとりいれると良いでしょう。また、ビタミンCが不足しないよう、果物も摂取しましょう。

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甲状腺の病気

病気の原因と症状

甲状腺(こうじょうせん)とは、頸部の前側ののどぼとけのすぐ下にある内分泌腺です。羽をひろげた蝶のようなかたちをしていて、正常だと甲状腺は柔らかいので手で触ってもわかりませんが、異常があって腫れると、外から首を見ただけで腫れているのがわかるようになります。

甲状腺のはたらきは、体の新陳代謝を調節するための甲状腺ホルモンをつくり、分泌することです。甲状腺ホルモンには、新陳代謝を促進して私たちが活動するために必要なエネルギーをつくったり、脳や内臓を活性化したりと、大切なはたらきがあります。ですが、この甲状腺ホルモンの量は、多すぎても良くないし、逆に少なすぎても良くありません。そこで、甲状腺ホルモンを調節するためには脳から指令が出され、一定量を保つために甲状腺刺激ホルモン(TSH)が放出されるのです。

甲状腺の病気には、次のようなものがあります。

  • 甲状腺機能亢進症
  • 甲状腺ホルモンが多い状態

  • 甲状腺機能低下症
  • 甲状腺ホルモンが少ない状態

  • 甲状腺ガン
  • 甲状腺に良性または悪性の腫瘍ができた状態

甲状腺機能亢進症は、別名「バセドウ病」ともいわれます。一方の甲状腺機能低下症は、別名「橋本病」ともいわれます。また、甲状腺ガンの種類には、乳頭ガン、濾胞(ろほう)ガン、髄様(ずいよう)ガン、未分化ガン、悪性リンパ腫などがあります。

甲状腺ホルモンの分泌のバランスが崩れると、さまざまな症状があらわれてきます。甲状腺ホルモンの量が多くなると、新陳代謝が活発になりすぎてたくさん汗をかいたり、食欲旺盛でも体重が減少します。また、疲れやすく、一日中動悸が続いたりもします。逆に甲状腺ホルモンの量が少なくなると、新陳代謝が悪くなり、寒気がしたり、皮膚が乾燥したり、食欲がなくでも体重が増えてきます。また、体がだるく無気力になって、いつも眠気を感じるようになります。

甲状腺の病気(甲状腺機能亢進症)の食事療法について

甲状腺機能亢進症では、代謝が亢進しているために消費するエネルギーが大きく、体内に蓄えられている脂肪やタンパク質の分解が進みます。ですから、必要なビタミンやミネラルの量も普段より多めになります。食事は代謝の変化に対応できるようにします。

消費量の増加に合わせエネルギーを補給する

代謝が亢進するので基礎代謝が進み、消費されるエネルギーも大きくなるので、その分多めに食べなければなりません。発症当初は異常に食欲があって、たくさん食べても体重が増えない状態です。快方に向かってくると、食欲も体重も次第に戻ってきます。

栄養をバランス良くじゅうぶん補給する

亢進しているエネルギーの代謝に見合うだけのビタミン、ミネラルを摂るようにします。タンパク質の分解も亢進しているので、さまざまな食品をまんべんなく摂るようにし、特に、乳製品と緑黄色野菜を積極的に摂ります。

ヨウ素(ヨード)を控える

甲状腺から分泌されるホルモンの主原料になっているのはヨウ素(ヨード)です。ヨウ素が多く含まれている海藻類の摂取を控え、ホルモンの分泌を抑えます。

調理のコツ

食事の量を増やしますが、バランス良く組み合わせたメニューにします。

わかめやひじき、昆布、海苔などの海藻類は、ヨウ素(ヨード)が多く含まれているので、できるだけ避けましょう。ほうれん草、小松菜、にんじんなどの緑黄色野菜は、お浸しや炒めものにして、不足しないように摂取しましょう。

腎不全

病気の原因と症状

腎臓の機能が低下し、本来の腎臓の働きである、体内の老廃物の除去や尿の排出ができなくなった状態を腎不全といいます。腎不全には、急激に起こる急性腎不全と、慢性に経過して起こる慢性腎不全があります。

急性腎不全

数日、または数週間くらいのうちに急激に起こります。その原因には、糸球体腎炎によるもの、交通事故などで大量に出血したり心臓障害などから起こるもの、尿管や膀胱(ぼうこう)などの過程で尿が止まってしまったことなどが考えられます。

初期症状として、尿の量が著しく減少することがあります。そのほかにも、むくみや倦怠感、嘔吐などの尿毒症という症状もあらわれるようになります。これらは早期に治療することが重要になり、それが病後の経過を左右するのです。原因によっては回復できることもあります。

尿量が少ない時期には水分と塩分の制限を厳重におこない、安静にしていなければなりませんが、尿量が戻ってきたら適度な水分の補給やカロリーの補給などが必要になります。

慢性腎不全

慢性腎炎は、慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎症などから移行することが多く、徐々に病気が進行し、最終的には腎臓の機能が果たされなくなります。

進行すると一時的に尿量は増えますが、さらに進行すると、やがて尿量は減少し、ついには、まったく尿が出ない無尿の状態になります。尿毒症の症状もあらわれてきます。
そして、末期になると、人工透析というとてもつらい治療を生涯していかなくてはなりません。

病気の悪化と進行を防ぐためには、長期にわたる毎日の食事療法が重要となります。適切なタンパク質量の制限、エネルギーの補給、塩分の制限が中心です。

腎不全の食事療法について

腎不全になると、腎臓の機能は著しく低下します。残念ながら、現在の治療法では、低下してしまった機能を元の状態に戻すことはできないのです。ですから、限られた機能の中でいかに体の恒常性を保ち、病状の悪化や進行を防ぐかが食事療法の目的となります。もちろん、薬も用いられますが、安静を保ちながら食事療法をおこなうことが基本の治療法です。

タンパク質を調節する

タンパク質は腎臓の機能にあわせて調節します。タンパク質を制限する目的は、タンパク質が分解されたとき老廃物として出てくる尿素、尿酸、カリウム、リンなどの産生を低下させ、これらが蓄積されないようにするためです。蓄積されてしまうと尿毒症があらわれ、腎不全の末期症状となります。

特殊食品でエネルギーをアップする

エネルギーの摂取が不足すると、タンパク質でできている筋肉や内臓の分解が亢進し、タンパク質が単にエネルギー源として利用されます。そして、分解されて生じた老廃物が体内に蓄積されます。

タンパク質を制限し、エネルギー量を増やすと、糖質と脂質の摂取量は多くなります。しかし、普通の食事から摂るにはなかなか難しいので、医療用に開発された特殊用途食品を利用します。

減塩食にする

食塩の量は、高血圧やむくみ、心臓肥大の有無などによって決められます。尿量が極端に少なくなったら、食塩の制限がかなり厳しくなるので、減塩食をおいしくするために、調理の工夫が大切です。

カリウムを制限する

腎機能の低下からカリウムの排泄が悪くなるので、カリウムが多く含まれている生野菜や果物を控えます。カリウムは水に溶けやすい性質なので、生野菜を水によく浸す、茹でこぼすなどします。

調理のコツ

急性腎不全の場合

透析が積極的に行われるため、入院治療になります。水分、塩分、タンパク質、カリウムが制限されます。エネルギーの確保が必要で、エネルギー不足を防ぐために特殊食品が用いられます。

慢性腎不全の場合

腎機能の程度に合わせタンパク質の制限が必要になります。揚げものや炒めものは油でエネルギーアップになり、水分が減らせるのでおすすめです。おやつに高エネルギーの特殊食品を利用するのも良いです。

ネフローゼ症候群

病気の原因と症状

腎臓にある糸球体という部分に障害が起こり、本来ならば体の中に取り込まれなくてはならないはずのタンパク質が尿の中に出てしまうものをネフローゼ症候群といいます。多量のタンパク尿が出て、それに伴い、低タンパク血症(血中のタンパク質が不足する)やひどいむくみ、高脂血症などといった症状があらわれている状態です。

この原因には、腎炎から移行してくる一次性のものと、糖尿病や痛風などのほかの病気から起こる二次性のものがあります。患者は、二次性よりも一次性のネフローゼ症候群の人のほうが多くて、全体の7割~8割くらいを占めているといわれています。

このネフローゼ症候群は、薬の服用や食事療法でしっかり経過をみていけば、昔と比べて恐ろしい病気ではありませんが、長期にわたる病気であって、きちんとした管理が必要になります。

タンパク質が不足すると倦怠感があったり免疫力が低下して、細菌に感染する頻度も高くなってしまいます。安静と保温を基本におき、さらに、症状にしたがって適度なタンパク質の補給、塩分制限、水分量の調節など食事の管理が重要となります。

ネフローゼ症候群の食事療法について

発症した当初や病状が著しく悪いとき、または病状が悪化したときには、食事療法を厳しくおこなわなければなりません。どの場合でもネフローゼ症候群の人にみられる症状で、低タンパク血症やむくみ、高脂血症に対しての治療が食事療法の目的です。

適度にタンパク質を摂る

ネフローゼ症候群において、かつては、無条件に高タンパク質食がすすめられていましたが、近年では、常に高タンパク質食にするのではなく、むくみや低タンパク血症の程度、そして、腎機能の状態にあわせてタンパク質の量を調整するようになりました。

食塩を制限する

むくみの治療は、利尿剤の普及によって以前よりも容易になっています。ですから、長期にわたり厳重な食塩の制限をすることはなくなってきています。しかし、食塩を自由に摂るようになると利尿剤の効果がじゅうぶんに果たされず、なかなかむくみが取れなくなるので、ある程度の制限は必要です。

水分を控える

尿量が少なくなり、むくみが著しいときには、水分を厳しく制限します。利尿剤を服用しているときには、脱水状態にならないように水分を補給します。

調理のコツ

以前はタンパク質食品を多めに摂るとされていましたが、今ではむしろ、良質のタンパク質を摂り過ぎないようにすることが大切になっています。肉や魚は、脂肪の少ない部位を選んで調理しましょう。

塩分や水分は、症状によっては厳しい制限が必要になるので、汁物など水分の多いものは控えるようにし、焼きもの、炒めものや揚げものなど工夫して食べやすく調理してみましょう。