腎炎

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病気の原因と症状

腎臓が炎症を起こす病気を腎炎といい、腎炎には急性腎炎と慢性腎炎があります。

急性腎炎は急性糸球体腎炎とも呼ばれ、これは小児に多く、比較的治りやすいとされている病気です。ただし、成人の場合ではここから慢性腎炎へと移行することもあり、さらに慢性腎不全となることもあるといいます。

急性腎炎の症状には、血尿やむくみ、高血圧などがあり、風邪や扁桃炎、中耳炎といった合併症を起こすこともあります。この急性腎炎の原因となるのは、溶連菌(ようれんきん)と呼ばれる細菌の感染です。溶連菌は、正式には溶血性連鎖球菌といいますが、おもにのど感染して、咽頭炎や扁桃炎を引き起こしたり、小さな紅い発疹を伴うこともあります。しかし、菌そのものが腎臓に炎症を起こすのではなく、菌の感染がアレルギーとなって、その刺激が炎症を起こす仕組みとなっていて複雑です。発病して初期では、体を安静にすること、そして、水分、塩分、タンパク質の制限が必要になります。

一方、慢性腎炎は慢性糸球体腎炎と呼ばれ、症状や経過によって、次のように分けられます。

  • 潜在型
  • 軽度の血尿やタンパク尿がありますが、血圧は正常、自覚症状はほぼありません。

  • 高血圧型
  • タンパク尿や肉眼でわかる血尿が出て、むくみもあります。また、疲れやすく高血圧や動悸があらわれます。

  • ネフローゼ型
  • 多量のタンパク尿とむくみがひどく、高血圧がみられます。

  • 進行型
  • 腎機能の低下が著しく、むくみや疲労感のほか、貧血、息切れ、吐き気などもあります。症状の進行に伴い、尿量が減少していきます。

腎炎の食事療法について

先のように、腎炎には急性と慢性があって、それぞれの状態によって食事療法の内容は異なります。これらの食事療法には医師や栄養士の指導を受けなければならず、状態に適した食事管理が必要になります。

塩分をコントロールする

腎臓病ではどんな場合にも食塩の調節が必要です。急性では、かなり厳しく減塩を行い、むくみや高血圧の悪化を防ぎます。慢性では、むくみや高血圧の程度により食塩の摂取量を調節します。

タンパク質を制限する

急性の場合、回復するまでは厳しい制限があり、肉、魚、卵といったタンパク質食品がほとんど食べられません。慢性の場合では、それぞれのタイプによって、制限量が変わってきます。進行型でも腎機能の低下の程度に応じ、制限します。

水分制限は必要に応じてする

むくみが著しかったり、乏尿の場合には、水分の制限をします。飲料水のほか、汁物や水分の多い料理も制限の対象です。しかし、利尿剤が処方されるなどで、長期に水分制限することが無い場合もあります。

カリウムを制限する

腎機能が低下してくると、高カリウム血症がみられることがあります。この場合には、カリウムを多く含む生野菜、果物などの食品の摂取を減らします。なお、降圧剤などを服用していると低カリウム血症になることがあるので、逆にカリウムの多い食品を摂取することになります。

調理のコツ

タンパク質の制限がある場合には、肉や魚、卵、大豆製品、牛乳などがあまり食べられないので、これらを主食や野菜とうまく組み合わせボリューム感を出すと良いです。タンパク質が少ない分、エネルギーが減らないように、油や砂糖をうまく使い工夫しましょう。
塩分の制限があるときには、加工食品などの摂取にも気をつけ、薄味にします。また、制限が無い場合にも、摂り過ぎないことが大事です。

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